資産運用会社VanEckは28日、米国初となるBNBの現物ETF「VBNB」を設定した。米国の投資家は証券口座を通じて、BNBに連動する商品へアクセスできるようになる。
Cointelegraphによると、同ETFのティッカーは「VBNB」。BNBはBNB Chainのネイティブトークンで、ネットワーク上の取引手数料の支払いなどに使われている。
VBNBは現物保有型のファンドで、適格カストディアンがコールドストレージで保管するBNBを裏付け資産とする。VanEckは、同商品をBNBの現物価格への連動を目指す設計にしたと説明した。
同社はあわせて、規制・法的要件を満たした場合、将来的にステーキング機能の組み込みも可能になるとの見方を示した。
VanEckはBNB Chainについて、日次アクティブユーザー数や取引活動の面で最大級のブロックチェーンネットワークの一つだと位置付けている。ネットワーク上のステーブルコイン供給量は160億ドル超、トークン化された実物資産連動型資産(RWA)は約36億ドル規模としている。
市場規模も大きい。CoinGeckoの集計では、BNBの時価総額は約855億ドルで、暗号資産の時価総額上位5銘柄に入る。足元の価格は633ドル前後、1日当たりの取引高は8億7400万ドル近いという。
今回の動きは、米国でアルトコイン連動型ETFの裾野が広がる流れを映す。資産運用各社は、代替ブロックチェーン、ステーキング戦略、アクティブ運用型のデジタル資産ポートフォリオへと商品領域を広げている。
VanEckも今年1月、ティッカー「VAVX」のAvalanche現物ETFを米国市場に投入した。同商品はAVAXへの投資機会に加え、ステーキングによる収益機会も盛り込んだとしている。
一方、米国の規制枠組みの下では、アルトコイン関連デリバティブの広がりも目立つ。暗号資産取引所Bitnomialは4月、InjectiveのINJトークンに連動する米国規制型の先物契約を初めて提供開始した。
現物ETFと先物商品の拡大により、これまでビットコインとイーサリアムに集中していたETP市場が、他のネットワークへ広がる動きも加速している。
5月にはHyperliquidの現物ETFも初めて登場した。21Sharesは5月12日に「THYP」を投入し、Bitwiseも2日後に競合商品の「BHYP」を投入した。
初期の資金流入は大きくなかったものの、SoSoValueの集計では、両商品の合算取引代金は投入から数日で約4100万ドルに達し、取引活動は50%増加した。
現物アルトコインETFに加え、アクティブ運用型の暗号資産ファンドも増えている。直近数カ月では、Goldman SachsやカナダのHamilton ETFが、アクティブなビットコイン収益戦略や暗号資産デリバティブ、収益型デジタル資産ポートフォリオに連動する商品の上場や申請を進めている。
VBNBの設定は、米国投資家によるBNB投資の選択肢を広げると同時に、暗号資産ETF市場の競争軸が主要大型トークン以外にも広がっていることを示す事例といえる。今後の焦点は、VanEckが示したステーキング導入の可否と、アルトコインETFが実際の資金流入や売買活性化につながるかどうかにある。