写真=Naverのキム・グァンヒョンCDO。28日に開いたメディアラウンドテーブルで説明した。

Naverは28日、AIブリーフィングでの引用実績に応じて創作者へ支援金を支給する新プログラム「Naver Mate」を6月に始めると発表した。支援規模は年約200億ウォン。あわせて、対話型検索サービス「AIタブ」を6月末に全ユーザー向けへ開放し、AI検索の強化も進める。

同日、ソウル市中区のザ・プラザホテルで「AI時代のNaverデータ・コンテンツ戦略」をテーマにメディアラウンドテーブルを開いた。会場にはキム・グァンヒョン最高データ・コンテンツ責任者(CDO)、イ・イルグコンテンツサービス部門長、キム・サンボム検索プラットフォーム部門長が出席した。2026年2月に検索総括からCDOに就いたキム・グァンヒョンCDOにとって、今回が初の公の場となった。

Naverは、AI時代の競争軸がモデル性能そのものから、データとコンテンツの質、さらにサービス体験へ移りつつあるとみている。キムCDOは、最新モデルが登場するたびに「最高性能」が更新される一方、その優位は数カ月で入れ替わる状況が続いていると指摘。「単純なモデル技術よりも、どのようなデータを持つかが重要になっている」と述べた。

その例として、GoogleがRedditと年約6000万ドル規模のコンテンツライセンス契約を結んだ事例も挙げ、AI時代には良質なデータ確保が競争力を左右するとの見方を示した。

Naverは自社のコンテンツ基盤を強みとして打ち出す。現在、同社プラットフォームでは約2000万人の創作者が活動し、年間6億3000万件超のコンテンツが生み出されているという。2026年1月以降、AIブリーフィングに引用されたコンテンツのうち、ブログやカフェなどUGCの比率は70%に達した。イ・イルグ部門長は「韓国のユーザーが自ら書いた経験やレビューが、AIサービスの品質差につながっている」と説明した。

こうした基盤を拡充する施策が「Naver Mate」だ。AIブリーフィングが創作者の投稿をどれだけ引用したかを基準に、支援金を支給する仕組みとなる。

対象は旅行、ライフ、テックなど10部門、健康、育児、映画、自動車など25テーマ。AIブリーフィングでの引用回数が多い創作者を、毎月約3000人選ぶ。選定された創作者にはプロフィールやコンテンツに「Naver Mate」エンブレムを表示するほか、統合検索やAIブリーフィングでの露出を高める。自身の投稿がAIブリーフィングで何回引用されたかも、プロフィール上で確認できるようにする。

支援金の規模は年約200億ウォン。選定された約3000人には基本支援として月30万ウォンを支給する。さらに10分野で各10人、計100人には月300万ウォンを、各分野の最上位1人ずつ計10人には月1000万ウォンを追加で支給する。ベータ期間中は現金で支払う。6月はブログ、カフェ、知識iN、プレミアムコンテンツの創作者を対象に始め、下半期にはクリップ創作者まで拡大する計画だ。

AIによる要約回答の普及で原文への流入減が懸念されるなか、Naver Mateは引用指標と創作者支援を連動させる対応策ともいえる。NaverはAI回答画面で創作者の見え方を強めるとともに、引用実績に応じて支援金を還元する。イ・イルグ部門長は「企業間のコンテンツ取引ではなく、創作者一人ひとりの貢献を直接指標化する点で、グローバルでも初の試みではないか」と述べた。

一方、引用回数だけでコンテンツの質を十分に評価できるかは今後の課題として残る。Naverはベータ運用期間中にデータを見ながら、基準を補っていく方針だ。

UGCに加え、専門コンテンツの提携も広げている。EBSとは教育映像を共同制作し、BeopmunsaおよびParkyoungsaとは法務コンテンツで協業。専門マガジン約1400種のデータも確保した。Reutersとは金融・経済分野の英文コンテンツで協力を進めているという。

AI検索サービスの拡張も段階的に進める。2025年に導入したAIブリーフィングは、現在では月間3000万人が利用するNaverの中核的な検索体験として定着した。Naverは年内に、AIブリーフィングのカバレッジを40%まで広げる計画だ。

4月にメンバーシップ会員向けベータ版として公開したAIタブは、1カ月で累計利用者が300万人を超えた。1週間以内の再利用率は36%、好意的な評価は71%だった。

AIタブは6月末に全ユーザー向けへ開放する。モバイル検索窓にAIタブのボタンを設け、誰でも対話型検索を使えるようにする。狙いは、単純な回答提示にとどまらず、実際の行動までつなげることにある。

例えば「土曜日の昼、3人予約可能なソクチョン湖近くのブランチの名店」と尋ねると、営業時間や予約可能時間、地図上の位置を1画面で確認でき、予約まで進める設計だという。6月末には、カメラで商品を撮影すると情報確認や購入につながるスマートレンズの新バージョンも投入する。

技術面の戦略について、キム・サンボム部門長は中核資産として「プロダクトネイティブLLM」「データ・ツール」「ハーネスエンジニアリング」の3点を挙げた。

プロダクトネイティブLLMは、汎用AIモデルではなく、Naverのサービスに合わせて設計した専用モデルを指す。ユーザーが検索し、記事を読み、商品を購入し、予約に至るまでの一連の導線を学習データとして活用する。ハーネスエンジニアリングは、質問の種類に応じて最適なモデルを選び、運用する能力だと説明した。

キム部門長は「検索から商品購入、場所の予約まで1つのサービス内で完結する体験は、世界的にもNaver以外では見つけにくい」としたうえで、「この全工程を学習するプロダクトネイティブLLMと、導線全体を管理するハーネスエンジニアリングがNaverの強みだ」と述べた。

現在、AIブリーフィング、AIタブ、ショッピングAIエージェントなどには約10種類のプロダクトネイティブLLMを適用している。6月には次世代のHyperCLOVA Xモデルを、AIタブを皮切りに一部サービスへ順次適用する予定だ。

NaverがCDO体制を前面に出し、データ・コンテンツ戦略を打ち出した背景には、AI検索を巡る競争が技術単独の勝負から、データ確保とサービス実装力の競争へ移っているとの判断がある。NaverはNaver Mateによる創作者支援と、AIタブの拡大を通じて、創作者への還元、コンテンツ蓄積、AIサービス品質の向上を結び付ける好循環の構築を目指す。

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