写真=Bitcoin Japan

Bitcoin Japanは、SpaceX株の取得を目的とする私募ファンドに最大約20億円を投じ、AIインフラ投資事業に参入する。米子会社を通じて出資し、将来的にSpaceXが新規株式公開(IPO)した場合は現物株を受け取る仕組みを採る。一方で、ファンド手数料や上場の遅延・中止に伴う回収リスクも抱える。

ブロックチェーンメディアのCoinPostが27日、報じた。東証スタンダード市場上場のBitcoin Japanは、米子会社「BTCJPN US LLC」を通じて、私募ファンド「Viva-SX LLC Series H」への出資を決めた。

投資元本は約17億円。デューデリジェンス費用などの付帯費用を含めると、投資総額は約20億円となる。Bitcoin Japanは今回の出資を機に、AIインフラ投資を新たな成長戦略として位置付けた。

今回の案件の焦点は、SpaceXへの間接投資の仕組みにある。Vivaファンドは、SpaceX株を保有する機関投資家ファンドの持分に投資する構造を採っている。SpaceXが将来IPOを実施した場合、Bitcoin Japanは最終的にSpaceX株2万160株を現物で受け取る想定だ。

同社は今回の投資を、xAIを含むSpaceX関連資産への投資と捉えている。SpaceXは今年2月、イーロン・マスク氏が率いるAI企業xAIとの買収・統合計画を発表しており、Bitcoin Japanはこれを踏まえ、今回の案件を「AIインフラ戦略」の出発点と位置付けた。

投資資金は、新株予約権の行使で確保した13億円と、手元資金の約7億4000万円で賄う。資金は米子会社への貸付金として拠出する。為替変動リスクへの対応として、必要資金のうち10億円については、5月1日時点の1ドル=158.24円で事前に両替を済ませたとしている。

投資に先立ち、デューデリジェンスと価値評価も実施した。米デラウェア州の法律事務所を通じてVivaファンドの実在やSpaceX株の保有構造を確認したほか、非公開の大手会計法人がSpaceXとxAIを合算した企業価値を約1兆2605億〜1兆4538億ドルと算定したという。

採算面では、年率12.5%のハードルレートを基準に設定した。Bitcoin Japanは、SpaceXが市場で目標水準として取り沙汰される約1兆7500億ドルの企業価値で上場した場合、この基準を上回る収益率を見込めると試算している。

もっとも、投資スキームに伴うリスクは小さくない。SpaceXは上場準備が最終局面に入っており、新たに直接株主として参入するのは難しいとされる。このためBitcoin Japanは、SpaceX持分を保有する機関投資家ファンドに投資するVivaファンドを通じた間接投資を選んだ。

コスト負担も発生する。Vivaファンドは2026年4月設立の新ファンドで、投資元本の約16.5%に相当する手数料がかかる。さらに、SpaceXのIPOが遅延または中止となれば、投資回収の不確実性は高まる。Bitcoin Japanは、今回の投資判断が2026年12月期業績に与える影響について、現時点では開示していない。

暗号資産関連の上場企業が、単純なビットコイン保有戦略にとどまらず、宇宙航空やAIインフラ関連資産へと投資領域を広げる事例としても注目される。最終的な投資成果は、SpaceXの上場実現の可否に加え、xAIを含む統合後の企業価値の維持や、複雑なファンド構造に伴う費用負担に左右される見通しだ。

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