Valveは、携帯型ゲーミングPC「Steam Deck」の一部モデルの価格を引き上げた。OLEDの上位モデルでは最大300ドルの値上げとなった。米Engadgetが27日(現地時間)に報じた。背景には、メモリやストレージなどの部材コスト上昇に加え、物流費の増加があるという。
値上げ幅が大きいのはOLEDモデルだ。512GB OLEDモデルは549ドルから789ドルへ240ドル引き上げられた。1TB OLEDモデルは649ドルから949ドルとなり、300ドルの上昇となった。1TBモデルの上げ幅は従来価格に対して約5割に達する。
Valveは価格改定の理由について、製品仕様そのものに変更はないと説明した。告知では、新価格は足元の部材コストと業界全体の物流問題を反映したものだとし、状況に変化があれば改めて案内する方針を示した。
市場では、今回の価格改定を足元で深刻化しているメモリ需給の逼迫と結び付ける見方も出ている。携帯型ゲーミングPC市場では、メモリやストレージの需給ひっ迫を背景に、一部製品で品薄が生じたケースもある。
Steam Deckの供給自体は持ち直したものの、部品価格の上昇圧力はなお続いているとの見方もある。
中古・リファービッシュ品の価格にも影響は及んだ。ValveはLCDベースの終売モデルについてはリファービッシュ価格を据え置いた一方、OLEDモデルのリファービッシュ品は値上げした。
512GB LCDリファービッシュは359ドルで据え置いた。これに対し、512GB OLEDリファービッシュは629ドル、1TB OLEDリファービッシュは759ドルに改定した。
こうした価格上昇の背景としては、AI需要の拡大を挙げる声もある。AI関連企業がデータセンターの増設を進めるなか、メモリやストレージの調達競争が激化し、その影響が消費者向けハードウェアの価格にも波及しているという見方だ。
実際、足元ではソニーと任天堂も、それぞれPlayStation 5(PS5)とNintendo Switch 2の値上げに動き、Lenovoも携帯型ゲーム機の価格を引き上げたとされる。
今回の価格改定は、Valveの今後の新型ハードウェア戦略にも影響を及ぼす可能性がある。業界では、次世代製品として取り沙汰される「Steam Frame」や「Steam Machine」についても、メモリやストレージのコスト上昇を避けにくいとの見方が出ている。
Valveは年初、これら新型ハードウェアを年内に投入したい考えに言及したが、具体的な時期は明らかにしていない。
Steam Deckの値上げは単一製品の問題にとどまらず、AI需要の拡大と半導体需給の不安定さがゲームハード市場全体に影響を及ぼしていることを示す事例としても注目される。市場では、追加の値上げの有無に加え、Valveの次世代ハードウェアの価格戦略にも関心が集まっている。