Samsung Electronicsは5月27日、賃金協約の最終妥結を受け、今後5年間で総額5兆ウォン規模の社会貢献を進める方針を明らかにした。協力会社支援や社会的弱者向けの金融支援、AI人材育成などを柱とし、具体的な拠出方法は取締役会とコンプライアンス監視委員会での議論を経て決める。今回の労使対立を機に、経営哲学そのものを見直す考えも示した。
同社経営陣は同日、従業員向けメッセージを通じて、賃金・団体協約案が組合員投票で可決され、最終妥結に至ったと公表した。その上で、「これまで心配をかけたことを改めておわびする」とした。
また、「今回の交渉を通じて、『事業報国』『人材第一』というSamsungの経営哲学を改めて振り返ることになった」と説明。労使関係にとどまらず、経営全般を深く見直す必要があると強調した。今後は、社会の中でSamsungが果たすべき役割についても、国民の期待水準を踏まえて根本から検討を進めるとしている。
5兆ウォン規模の社会貢献策としては、2次、3次の協力会社支援や産業災害基金の造成、社会的弱者や小規模事業者向けの金融支援の拡大、AI人材育成に向けた産学連携、青少年教育などを挙げた。経営陣は、Samsungの成長と成果が従業員にとどまらず社会全体にも好循環をもたらすよう、社会的責任を一段と強化する考えを示した。
従業員側も、会社の意思決定に積極的に関与していく姿勢だという。
同日午前11時には、京畿道竜仁市器興のSamsung Electronics「The UniverSE」で賃金協約の調印式が開かれた。会社側からはヨ・ミョング副社長、キム・ヒョンロ副社長が出席。労組側からは、超企業労組のチェ・スンホ委員長、全国Samsung Electronics労働組合のキム・ジェウォン政策企画局長らが参加した。
22日から27日午前10時まで実施した賛否投票では、投票率95.5%、賛成率73.7%で暫定合意案が可決された。昨年12月の労使顔合わせから167日での最終妥結となった。
ヨ・ミョング副社長は調印式で、今回の妥結を出発点に労使が一体となってグローバル競争力の強化に取り組むと述べた。また、最後まで対話を続け、誠実に交渉に臨んだ労働組合と従業員に謝意を示した。
チェ・スンホ委員長は、なお課題は残るとしながらも、長期間にわたる対話と議論の末に意味のある合意に至ったと評価した。今後も従業員の労働条件の改善と権益向上に継続して取り組む考えを示した。
経営陣はメッセージの末尾で、「私たちは一つの組織であり、家族でもある」として、「知恵を出し合い、同じ方向に進もう」と従業員に呼び掛けた。5兆ウォン規模の社会貢献策は、今後の取締役会での議論を経て具体化する見通しだ。