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欧州連合(EU)は、モバイル衛星通信の中核となる2GHz帯について、全体の3分の2を欧州企業向けに優先配分する方向で最終調整に入った。実現すれば、SpaceXのStarlinkやAmazonのKuiperは、残る3分の1の枠内で競争を余儀なくされる可能性がある。

Cryptopolitanが26日(現地時間)に報じた。対象となるのは1980〜2010MHzと2170〜2200MHzの2GHz帯で、携帯電話や車両などを衛星と直接つなぐ用途に使われる周波数だ。地上の移動通信網が届きにくい地域を補完する帯域として位置付けられ、業界ではD2D(直接端末接続)向けの中核帯域とみられている。

現在、このライセンスはViasatとEchoStarが保有している。ViasatはInmarsatを、EchoStarはSolarisをそれぞれ買収し、関連する権利を取得した。ただ、両ライセンスはいずれも2027年5月に期限を迎える。加盟国が欧州委員会を通じて共同管理している帯域であることから、次回の配分もEUレベルで一括決定される可能性が高い。

再編の恩恵を最も受ける候補として有力視されているのが、IRIS2だ。IRIS2は、SES、Eutelsat、Hispasatが参加するSpaceRISEコンソーシアムによる次世代衛星群プロジェクトで、290基の衛星配備を計画している。Airbus、Thales Alenia Space、OHBも主要契約企業として参画している。

EUは2024年12月、約105億ユーロ規模の12年契約を締結した。このうち約65億ユーロは公的資金で賄う。政府向けサービスの開始は2030年を予定している。報道によると、英国とノルウェーの企業にも入札参加資格が認められる可能性がある。

今回の判断の背景には、米国技術への依存を減らしたいEUの戦略的な狙いがある。とりわけ、イーロン・マスク氏が過去にウクライナでStarlinkの接続制限の可能性に言及したことが、EU内の警戒感を強めた要因として取り沙汰されている。マスク氏とドナルド・トランプ政権の近い関係も懸念材料になったとされる。

EUは近年、クラウドサービスや半導体製造装置、サイバーセキュリティツールといった戦略分野で、米国企業への依存を引き下げる政策を強めてきた。衛星通信も同様に、戦略インフラとしての位置付けが一段と強まっている。

欧州委員会の報道官、トーマス・ルニエ氏は「現在の地政学的環境では、衛星通信の接続性はレジリエンスと安全保障、能力の中核的要素になっている」と述べた。さらに「衛星通信の接続性は、技術主権と安全保障・防衛の中核軸だ」とし、IRIS2の戦略的重要性を強調した。

一方、EU内にはより強硬な意見もあった。一部の欧州委員は、当該周波数帯の全てを欧州企業に配分し、米国事業者を完全に排除すべきだと主張したという。これに対し、欧州委員会で技術政策を担当するヘンナ・ビルクネン氏は全面排除に反対し、最終的に「3分の2を優先配分する」という折衷案が採用されたと報じられている。

この場合、既存ライセンスを持つViasatとEchoStarにとっても不利になる可能性がある。両社はいずれも米上場企業で、非欧州事業者に分類され得るためだ。現行ライセンスを保有していても、次回の配分では開放枠である3分の1の範囲でのみ競争する可能性が指摘されている。

業界では、今回の再編は単なる周波数の見直しにとどまらず、欧州が「デジタル主権」を強化する流れを象徴する事例だとの見方が出ている。StarlinkとKuiperが欧州市場から完全に締め出されるわけではないものの、中核となるモバイル衛星通信帯域へのアクセスが制限されれば、欧州でのD2D事業拡大にとって制約要因になる可能性がある。

記者名: Jinju Hong 記者メール: hongjj@d-today.co.kr 出稿日: 2026-05-27 13:35:48 修正日: 2026-05-27 13:35:48

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