Strategyが、2029年償還の転換社債15億ドル分を額面以下で早期に買い戻した。これにより、未償還の転換社債残高は82億ドルから67億ドルへ縮小した。世界最大のビットコイン保有企業として知られる同社は、今週は新たなビットコイン購入を発表していない。
Cointelegraphによると、Strategyは額面15億ドルの無利息の転換社債を現金13億8000万ドルで買い戻した。買い戻し価格は額面を8%下回った。
同社は手元資金を使って2029年償還分を取得し、転換社債による負債残高を圧縮した。あわせて、優先株の未償還名目額は合計155億ドル、ドル建ての準備資産は8億7100万ドルとしている。
額面を下回る価格で社債を買い戻す手法は、将来の返済負担を軽減する財務戦略の一つとされる。大規模なビットコイン購入を続けてきたStrategyが、足元では追加購入よりも財務体質の改善を優先したとの見方も出ている。
実際、Strategyは今週、新たなビットコイン購入を発表していない。直前の週には、5月11日から17日にかけてビットコイン2万4869枚を20億1000万ドルで取得した。平均購入価格は1ビットコイン当たり8万985ドルだった。
市場では今回の負債圧縮を前向きに受け止める声が上がった。資産運用会社Bitwiseの欧州リサーチ責任者、アンドレ・ドラゴシュ氏は、今回の判断について「Strategyにとって非常に良い措置だ」と評価した。
同氏は、負債削減によって2028年半ばの現金償還負担を巡る主要な不確実性が取り除かれると指摘した。対象となった2029年償還の転換社債は、転換価格が約672ドルと相対的に高く、投資家が2028年に償還を求める可能性があったという。
ビットコイン価格は同じ時期に弱含んだ。TradingViewによれば、直近1カ月では約1.2%下落し、過去1年では29%下落した。
株価とビットコイン価格がそろって軟調に推移するなか、Strategyは手元資金を用いて満期負担のある負債を減らす選択をした格好だ。
一方で、Strategy以外でも企業によるビットコイン購入の動きは続いている。先週は、小規模なビットコイン財務保有企業4社が合計602.6BTCを購入した。
Strategyは引き続き、企業として最大規模のビットコイン保有を維持している。市場では今後、追加購入を再開するかどうかに加え、残る負債や優先株をどう管理していくかにも関心が集まっている。
同社はこれまで、転換社債や株式発行を通じてビットコイン購入資金を調達してきた。このため、Strategyの財務戦略は保有ビットコインの規模だけでなく、負債の満期構成や転換価格、現金流動性の管理も含めて評価されている。