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フィリピンでサービス遮断を受けていた暗号資産取引所Binanceが、現地フィンテック企業のBlockshares Technologiesと提携し、同国市場への再参入を目指す。現地で認可を受けた事業者を通じて規制サンドボックスに参加する枠組みで、試験運用は2026年下半期に始まり、少なくとも2年間続く見通しだ。

BeInCryptoが26日(現地時間)に報じた。今回の枠組みのポイントは、Binanceが自ら直接参入するのではなく、フィリピンで承認を受けた事業者を通じて制度の枠内に入る点にある。

公表された提携内容によると、Blocksharesはフィリピン証券取引委員会(SEC)の「Stratboxサンドボックス」で承認を受けた現地の暗号資産仲介事業者として参加する。Binanceは技術基盤やセキュリティシステムに加え、コンプライアンス面の知見を提供する。

規制上の責任は現地法人であるBlocksharesが担い、Binanceはこれまで他の規制市場で培ったインフラ、商品開発力、運営面の支援を担う。

Blocksharesは2025年11月、フィリピンSECの通達第9号に基づき原則承認を得た。Stratboxサンドボックスは、新たなデジタル資産モデルを当局の監督下で試験できる制度とされる。

試験運用は2026年下半期に開始し、最低2年間実施される予定だ。

Binanceは今回の再参入にあたり、フィリピン市場の成長性とデジタル分野への高い受容性を強調した。Binanceのアジア太平洋地域統括責任者であるセケルは声明で、フィリピンについて「東南アジア有数の活気あるデジタル経済の一つだ」とし、デジタル親和性の高い利用者層が新興フィンテックの採用をけん引していると述べた。

今回の動きは、Binanceが2024年にフィリピンで実質的に締め出されて以降、初の規制下での再参入ルートとなる。フィリピンSECは2022年、現地シンクタンクInfrawatch PHが提出した12ページの申し立てをきっかけに、投資家向けの警告を出した。

Infrawatch PHは提出文書で、Binanceがフィリピン国内で違法に事業を運営しているとして職権調査の開始を求めたほか、Binanceとその系列会社、提携先の事業停止命令、最大限の罰金・制裁の適用、今後の登録申請の不受理を求めていた。

その後、フィリピンSECは2024年3月、未登録証券の提供と現地で必要な許認可を欠いていることを理由に、Binanceへのアクセス遮断に踏み切った。アプリストアでもBinanceはフィリピン向け配信対象から削除された。

一方、一部の利用者は仮想プライベートネットワーク(VPN)を通じて利用を続けていたとされる。

今回の枠組み変更により、運営責任は海外事業者ではなくフィリピン国内の事業者が負うことになる。Binanceは、規制を迂回するのではなく、現地制度の枠内に入る形へ戦略を転換したことになる。

正式な暗号資産サービス提供者としての認可につながるかどうかは、Blocksharesが今後2年間で定められた条件を満たせるかが鍵を握る。

フィリピンは中央銀行デジタル通貨(CBDC)の導入準備を進める一方、暗号資産全般に対する監督も強めてきた。今回の試験運用は、Binanceのフィリピン復帰の可否だけでなく、現地の規制枠組みが海外の大手取引所をどのように制度圏へ取り込むのかを占うケースとなりそうだ。

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