米AI研究開発企業のAnthropicは5月27日、ソウル拠点の開設に向け、チェ・ギヨン氏を韓国代表に任命したと発表した。韓国でClaudeの利用が拡大していることを受け、企業や開発者、研究者との連携を軸に現地事業を本格化する。
同社によると、同社の上級幹部は数週間以内にソウルを訪れ、オフィス開設を正式に進めるとともに、主要顧客企業との面会も予定している。
Anthropicが3月に公表した「Economic Index」報告書では、韓国におけるClaudeの利用量は、人口規模から見込まれる水準の3.5倍に達した。とりわけ技術分野やクリエイティブ分野での活用が活発だという。同社はこうした需要の高まりを踏まえ、ソウルに拠点を設けて韓国事業を強化する。
チェ氏は直近までSnowflakeの韓国事業を統括していた。韓国およびアジア太平洋地域で30年以上にわたりテクノロジー業界に携わっており、Anthropic参画前にはGoogle Cloud、Adobe、Autodesk、Microsoftで韓国事業を率いた経験を持つ。
チェ氏は「韓国は、ハードウェアの革新力、開発者エコシステム、企業のAI導入水準のいずれを見ても、世界でも最も成熟したAI市場の一つだ」とコメントした。さらに「韓国企業は高い技術力と責任あるAIに対する強い姿勢を兼ね備えており、Anthropicが重視する価値観とも一致する。そうした理由から参画を決め、長期的な視点で韓国事業の成長に取り組みたい」と述べた。
今後チェ氏は、韓国市場におけるClaudeの活用状況を踏まえた現地戦略の策定を担い、企業、開発者、研究者とのパートナーシップ構築を主導する。企業やスタートアップとの提携に加え、政府・研究機関との協力、Claudeを活用する韓国内の開発者コミュニティ支援にも注力する方針だ。
Anthropicで海外事業を統括するクリス・チャウリ氏(Chris Ciauri)は「韓国は世界的に見てもClaudeへの関心が非常に高い市場の一つであり、チェ代表ほど韓国の技術エコシステムを深く理解している人材は多くない」と述べた。そのうえで「チェ代表にはソウル拠点のチーム立ち上げを担ってもらい、韓国企業がClaudeを実務で積極的に活用できるよう、現地パートナーシップをけん引してもらう」としている。