XRPでは100万ドル(約1億5000万円)超の大口取引がこの9日間で57.3%減少し、市場では主要投資家の動き鈍化が意識されている。価格も5月中旬の1.54ドルから足元で1.35ドル台まで下落しており、相場は1.29〜1.50ドルのレンジをどちらに抜けるかが焦点となっている。
米ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicが25日(現地時間)に報じた。市場アナリストのアリ・マルティネズ氏は、Santimentのデータを基に、XRPの大口取引件数が157件から67件へ減少したと指摘した。
大口取引の減少は、価格の軟調な推移と重なった。XRPは5月14日に付けた1.54ドルから下落基調をたどり、足元では1.35ドル水準で推移している。
5月15日から19日にかけては5日続落となり、XRPが5日連続で下落するのは約2カ月ぶりだという。5日間の下落率は8%に達し、市場センチメントも弱含んだ。
市場では、大口投資家の参加鈍化が価格下落と同時に進んだ点に注目が集まっている。大口勢が相場を押し上げる局面ではなく、積極的な売買を手控える様子見姿勢が強まっているとの見方が出ている。
マルティネズ氏は足元の相場を「圧縮局面」と位置づけた。大口取引の鈍化は主要投資家の後退を示しており、クジラと呼ばれる大口保有者が狭いレンジでの値動きを見極めている可能性があるとみている。
同氏は、短期的にはボラティリティが低下する可能性がある一方、こうした局面は下値支持線と上値抵抗線が明確になった後に大きな値動きが出る前触れになりやすいと分析した。
もっとも、大口保有者が一斉に市場を離れたわけではない。100万〜1000万XRPを保有するウォレットは、5月12日時点の37億2000万XRPから37億9000万XRPへ増加した。期間中に7000万XRPを積み増した計算になる。
10万〜100万XRPを保有するウォレットも、5月16日以降に63億1000万XRPから63億3000万XRPへ増加し、2000万XRPを買い増した。
ただ、こうした買い集めが相場全体を押し上げる力になっているかはなお不透明だ。大口取引件数が減るなか、市場全体では売り圧力が続いていたためだ。一部の中大型ウォレットが押し目買いに動いたものの、相場の流れを変えるには力不足だったことを示している。
テクニカル指標も、XRPが方向感の乏しい相場にあることを示唆している。マルティネズ氏は別の分析で、XRPの3日足チャートにおけるボリンジャーバンドの収縮が、この1年余りで最も強い水準にあると述べた。
同氏はこれを、ボラティリティが極端に低下しているシグナルと受け止めている。
注目レンジは1.50ドルと1.29ドルの間だ。マルティネズ氏はこの水準を「取引禁止ゾーン」と呼び、拙速に方向性を予測するより、まずはどちらにブレイクするかを見極めるべきだと助言した。
3日足終値で1.50ドルを上回れば、1.80ドルまで上値余地が広がる可能性がある。一方、1.29ドルを下回れば上昇シナリオは後退し、心理的節目である1ドルまで下押しする可能性があるという。
このため、XRP市場の次の焦点は、大口取引が回復に向かうかどうかに加え、1.29ドルと1.50ドルの節目を突破できるかに絞られている。足元では取引減少と一部ウォレットの買い増しが並行して進んでおり、強弱材料が交錯する展開が続いている。