Cardano(ADA)創設者のチャールズ・ホスキンソン氏は25日、同プロジェクトについて、価格上昇だけに依存しない価値の再定義が必要だとの認識を示した。あわせて、新たなロードマップやリーダーシップの見直し、長期戦略の明確化に言及し、DRep(委任代表)に就く可能性も改めて示唆した。ブロックチェーンメディアのThe Crypto Basicが報じた。
報道によると、ホスキンソン氏は最近のライブ配信で、DRepやADA保有者に対し、Cardanoは価格以外の存在意義をあらためて打ち出す必要があると語った。
同氏は、コミュニティ全体に疲弊感が広がっていることも認めた。保有者がたび重なる失望を経験する一方で、目立った成果が乏しく、不満が強まっているという。2024年末には強気ムードの下で相場反転への期待が高まったが、市場の関心はインフラ重視のブロックチェーンから、投機色の強いテーマやミームコインへ移ったと指摘した。
また、市場全体の下落とCardanoの低迷によって、自身も大きな損失を被ったと明らかにした。Cardanoの価値下落で25億ドル超(約3750億円)を失い、CardanoとMidnightのエコシステムに集中するため、家族にとって重要だった資産やプロジェクトを整理したという。個人プロジェクトも打ち切り、両エコシステムに専念する方針をあらためて示した。
その一方で、Cardanoの価値をトークン価格の上昇だけで測るべきではないとも強調した。コミュニティの投資家は、「Cardanoが世界をより良くするうえで意味のある貢献ができる」という点を信じる必要があると述べた。信頼回復と勢いの立て直しに向けては、新たなロードマップや新しいリーダーシップの声、より明確な長期戦略が必要になる可能性があるとの見方を示した。
ホスキンソン氏はあわせて、Cardanoのガバナンス構造の中でDRepになる可能性にも再び触れた。週末にも同趣旨の発言をしており、コミュニティの一部は委任の意向を示しているという。ただ、同氏が実際にDRepに就いた場合、大量のADA保有が投票結果に過度な影響を及ぼすのではないかとの懸念も出ている。
今回の発言は、Cardano内部でガバナンスを巡る対立が続く中で出たものだ。複数のDRepは、Input Output Global(IOG)が提出した主要提案、特に研究重視の資金配分案に反対した。反対派は、財務資金を別の重要なエコシステム課題に振り向けるべきだと主張している。
これに対し、ホスキンソン氏は、提案が否決されればCardanoの科学重視のアイデンティティが弱まる恐れがあると警告した。反対の背景には、Cardanoの長期的な価格下落に対する不満もあると述べた。Cardanoは一時、史上最高値(ATH)から92%超下落し、0.2455ドル(約37円)前後まで値を下げた局面もあった。
一方で、IOGの一部提案が実際に否決されたことについては、「Cardanoのガバナンスが意図通りに機能している」兆候だと評価した。創設者や特定組織の意向だけで一方的に物事が決まらなかった点を認めた形だ。
Cardanoは足元で、価格低迷、資金配分を巡る議論、そしてプロジェクトのアイデンティティ再定義という3つの課題を同時に抱えている。こうした中、ホスキンソン氏は、ガバナンス構造の改善策を議論する場を設けようと提案した。これに対し、フレデリック・グレガード氏(Cardano財団CEO)は会合を主催する意向を示した。今後は、ロードマップ見直しの議論に加え、ホスキンソン氏のDRep参加の是非が、Cardanoの次の方向性を左右する焦点となりそうだ。