ビットコインのイメージ写真=Shutterstock

ビットコイン(BTC)で、含み損状態にある供給量が775万枚近くまで増え、市場では潜在的な売り圧力への警戒が改めて強まっている。少額ウォレットの売りが先行する一方、大口投資家は安値圏で買い集め、高値圏では持ち高を分配する動きを見せており、短期的な上値の重さが意識されている。

ブロックチェーンメディアのCryptopolitanが25日(現地時間)に報じたところによると、5月時点で含み損状態にあるビットコインの供給量は764万枚から775万枚程度に増加した。

足元のビットコイン価格は7万7000ドル台で推移している。この価格帯では供給量の相当部分が含み損圏に入る。BGeometricsのデータでは、含み益状態にある供給量の割合は約53%にとどまった。含み損の比率が、弱気相場で見られやすい水準に戻ってきた点が注目されている。

市場の焦点は、こうした含み損ポジションが下落局面で実際の売りに転じるかどうかだ。含み損供給の増加は、相場下落時の処分売りを誘発しやすい要因とみられている。相場を押し上げる明確な材料が乏しければ、下方向への圧力が強まる可能性がある。ただ、現在の含み損供給量は、2月に記録した970万枚は下回っている。

需給構造も当時とは変化している。2026年に入ってから保有主体の入れ替わりが進み、低い取得単価を持つ既存のクジラが売りに回る一方、新たな価格帯では一部の大口投資家による買い集めも流入した。直近のビットコイン相場は、安値圏ではクジラの買いが入り、7万8000ドルを超える場面では分配が進むなど、狭いレンジでの推移が続いている。

足元の需給変化も鮮明だ。上場投資信託(ETF)の保有者は、先に売りに動く主体として意識されている。これまで安定した買い手とみられてきた、財務戦略の一環としてビットコインを保有する企業の買いも、事実上止まったという。直近1カ月の価格変動率は1%水準まで低下したが、こうした狭いレンジ相場そのものが清算や投機的な売買を誘発しかねないとの見方も出ている。

ウォレット規模別の動きにも差が出ている。過去12カ月では、超大口のクジラウォレットの保有量が8.5%減少し、一般的なクジラウォレットも3.72%減った。直近30日では、10~100BTCを保有するウォレット数が41減少した。一方、サメに分類される中型ウォレットは、おおむね保有量を維持した。

最も大きな売りが確認されたのは、1BTC未満を保有する少額ウォレットだった。この層では4万2000超のウォレットで残高がゼロとなり、個人投資家を中心とした大規模な処分売りのシグナルが出たという。他のウォレット群はおおむね保有量を維持しており、少額投資家の離脱が先行しているだけで、現物市場全体が恐怖による投げ売り局面に入ったわけではないとの見方もある。

平均取得単価も重要な目安とされている。2月以降、ビットコインは取得単価の上昇局面でも蓄積が続いた。買い集めは1BTC当たり7万2000ドル付近で始まり、直近では一時7万8000ドルまで上昇した。25日時点の平均取得単価は7万7253ドルで、足元の価格との差は大きくなく、保有者全体で見た含み損はなお限定的だという。

今後の短期的な方向感は、クジラウォレットが保有を続けるか、また高値圏での戦略的な分配がどの程度強まるかに左右されそうだ。少額ウォレットの離脱と含み損供給の増加は弱気シグナルと受け止められているが、現物市場全体が恐怖による投げ売りに傾いた段階ではない。ただ、一部のクジラが7万8000ドル超で分割売却を続ければ、短期反発の上値は抑えられる可能性が高い。

キーワード

#ビットコイン #BTC #暗号資産 #ETF #クジラウォレット #少額ウォレット #ボラティリティ
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.