写真=Samsung Asset Managementは26日、ソウル市中区のザ・プラザホテルでKODEX単一銘柄レバレッジETFに関する記者懇談会を開いた。オ・サンヨプ記者

Samsung Asset Managementが設定したSamsung ElectronicsおよびSK hynix連動の単一銘柄レバレッジETFの総報酬が業界高水準となり、市場で関心を集めている。ETF業界で報酬引き下げ競争が続く中、同社は26日の記者懇談会で、投資家が実際に負担するコストは総報酬だけでは測れず、流動性や売買スプレッド、現物拠出型の採用も重要な判断材料になると説明した。

足元のETF市場では、運用各社による総報酬の引き下げ競争が激しい。投資家にとっては、総報酬が低いほどコスト負担が小さいように見える。ただ、同社は、レバレッジETFは長期保有より短期売買の比率が高い商品であるため、総報酬だけでコスト競争力を判断するのは適切ではないとの見方を示した。

イム・テヒョクETF運用本部長は、「総報酬と売買時に発生するコストは別の概念だ」と説明。「総報酬は日々ファンドの純資産価値(NAV)に反映される一方、スプレッドは売買時の価格差として投資家負担になり得る」と述べた。

そのうえで、「スプレッドが大きいETFでは、売買のたびに表面化しにくいコストが発生し得る点を理解する必要がある」と強調した。

同社によると、KODEXレバレッジETFの足元のスプレッドは4bp(0.04%)水準。レバレッジ・インバースETFの売買回転は今年、上場株式数に対する出来高ベースで120回となり、2020年以降の年平均は71回だったという。

これを営業日数ベースで換算すると、平均保有期間は約4.4日にとどまる計算になる。短期売買が中心である以上、総報酬よりも流動性や売買スプレッドの方が、実質リターンに直接影響しやすいというのが同社の説明だ。

今回の商品で同社が打ち出したもう一つのコスト低減策が、現物拠出型の採用だ。同社は、単に現物を組み入れる「現物型」と、設定・償還の方法としての「現物拠出型」は分けて考える必要があると説明した。

現物型レバレッジは、ポートフォリオに株式現物を組み入れて運用する方式を指す。一方、現物拠出型は、ETFの設定・償還時に現金ではなく株式現物を受け渡す仕組みだ。

一般的な現金拠出型のレバレッジETFでは、証券会社が運用会社に現金を拠出し、運用会社がその資金で株式現物や先物を買い付けてポートフォリオを組成する。償還時には、運用会社が保有株式を売却して現金を用意する必要があり、この過程で売買手数料や証券取引税が発生し得る。

これに対し現物拠出型では、設定時に証券会社が株式を運用会社へ直接引き渡し、償還時も運用会社は株式を売却せず、そのまま証券会社へ返却する。このため、運用会社による現物売買を減らし、売買手数料や証券取引税の削減につながるとしている。

同社は、この仕組みによって、現金拠出型の現物レバレッジETFと比べて年間1%超の取引コスト削減を見込めると公表した。

質疑応答では、総報酬の水準そのものについても質問が出た。イム本部長は、自社商品の総報酬を30bp(0.3%)と仮定した場合、12カ月で均せば1カ月当たりの保有コストは2.5bp程度になると説明した。

また、「レバレッジ運用は、上場させれば終わりの商品ではない。日々、流通市場の状況を見ながら流動性供給者とコミュニケーションを取る必要がある」と述べ、現在の報酬設定の背景を説明した。

あわせて、金融投資協会が公表しているレバレッジETFの売買仲介手数料率も確認すべきだと指摘。「報酬の0.2%は目に見えるが、表面に出にくいコストまで細かく見たうえで売買する必要がある」と語った。

単一銘柄レバレッジETFを巡る競争は、総報酬の引き下げだけでは決まらない見通しだ。同じSamsung Electronics、SK hynixの2倍連動型商品でも、流動性供給者の数、売買スプレッド、設定・償還の仕組み、運用会社の売買執行力によって、投資家が実際に負担するコストは変わり得る。

投資家は商品名や総報酬だけで比較するのではなく、売買代金、最良気配の差、乖離率、トラッキングエラーなども併せて確認する必要がある。特にレバレッジETFは、相場変動が大きい局面で成行注文が増えやすく、気配が広がれば想定より不利な価格で約定する可能性がある。

イム本部長は「レバレッジETFは長期投資向けの商品ではなく、短期的な市場環境を見ながら対応する商品だ」としたうえで、「投資するなら、総報酬だけでなく、望む価格で迅速に売買できる流動性とスプレッドを確認すべきだ」と述べた。

キーワード

#ETF #レバレッジETF #単一銘柄レバレッジETF #KODEX #Samsung Asset Management #Samsung Electronics #SK hynix #流動性 #スプレッド #現物拠出型
Copyright © DigitalToday. All rights reserved. Unauthorized reproduction and redistribution are prohibited.