Cardano創業者のチャールズ・ホスキンソン氏は24日、Cardano内の対立収束に向け、ガバナンスの見直しを進める考えを示した。1万1000件を超える分散型自律組織(DAO)の事例を検証し、憲法改定や新たなガバナンスツールの導入につなげる構想だ。
ブロックチェーンメディアのBeInCryptoによると、同氏は10年にわたるガバナンス研究の成果を基に、Cardano憲法の改定や新技術の実装を視野に入れた見直し案を準備しているという。
背景には、IOGによるトレジャリー資金の提案を巡るガバナンス上の対立がある。提案は6月8日の投票締め切りを前に否決の公算が大きく、委任代表者(DRep)の約87%が反対している。この提案には、量子セキュリティや拡張アーキテクチャを含むCardanoの2026年研究ロードマップ向け資金が盛り込まれていた。
ホスキンソン氏は、この提案が否決された場合、IOGは同様の提案を再提出しない方針だと明らかにした。否決されれば人員削減につながる可能性があるほか、Cardanoが研究主導で発展してきたプロジェクトとしての性格にも影響が及ぶと警告している。
同氏は、自らDRep(委任代表者)として登録する案も検討している。登録すれば、Cardanoのオンチェーンガバナンスで自ら議決権を行使できる。2027年のガバナンスサイクルを前に、関係者の意見を集約する小規模なコンベンションを開く可能性にも言及した。
また、1万1000件超のDAO事例に加え、業界内外の過去10年にわたる文献を踏まえ、執行機能やロードマップ、戦略策定の在り方を研究していると説明した。狙いは、Cardano憲法を通じてガバナンスに新たな機能を組み込むための具体案を示すことにある。
Cardanoコミュニティでは、ガバナンスの方向性を巡る緊張が続いてきた。過去にも、IOGのCardano Foundationへの対応を巡って意見の隔たりが表面化しており、ホスキンソン氏は当時から組織運営の構造的な見直しが必要だと主張していた。
ホスキンソン氏は、見直し案の詳細を後日公表する考えも示した。憲法改定と新たなガバナンスツール導入のどちらを軸にするかは現時点で定まっていないが、2027年までに合意形成を進める必要があり、残された時間は多くないとしている。