Applied Materialsは14日、2nm未満のGAA(Gate-All-Around)トランジスタ製造向けに最適化した成膜装置2製品を発表した。AIコンピューティング需要の拡大を背景に、半導体業界では電力効率に優れるGAA構造への移行が進んでおり、同社は成膜技術でこの移行を後押しする。
同社によると、GAAトランジスタでは内部の3次元構造を形成するために500以上の工程が必要となり、多くの工程で原子レベルに近い精度が求められるという。
今回発表したのは、GAA工程で性能と電力効率を左右する異なる領域を担う2製品だ。このうち「Producer Precision Selective Nitride PECVD」は、隣接するトランジスタを電気的に分離するSTI(浅溝絶縁)構造の保護に用いる。
同製品は、絶縁トレンチ内にシリコン窒化膜を形成する業界初の選択的ボトムアップ成膜方式を採用した。後工程で絶縁材料が損傷するのを防ぐことで寄生容量を低減し、チップのワット当たり性能の向上につなげるとしている。
もう1つの「Endura Trillium ALD」は、GAAトランジスタのメタルゲートスタックを原子レベルの均一性で制御する装置だ。GAAトランジスタのゲートスタックは、10nm間隔で並ぶ複数の水平ナノシートを取り囲む構造となる。
同装置は複数の金属成膜工程を単一プラットフォームに統合し、トランジスタごとのしきい値電圧を柔軟に調整できるようにした。GAA構造に対応するため、仕事関数金属とダイポール材料の成膜機能も新たに搭載した。
Applied Materialsの半導体製品グループ(SPG)社長、プラブ・ラジャ氏は「半導体業界は、従来のリソグラフィー中心のスケーリングだけでは前進できない、急激で非連続な転換点にある」と述べた。
そのうえで「オングストローム時代の先端ロジックノードでは、性能と電力効率は材料イノベーションによって決まる」と強調した。
さらに「今回の新しい成膜装置は、Applied Materialsが材料工学で培ってきた独自の強みを基盤に、顧客がAIコンピューティングのロードマップの中核を担う重要なトランジスタ技術の転換を進めるうえで支援するものだ」と語った。