写真=Reve AI

米国とイランの停戦を巡る報道を受け、暗号資産市場が急反発した。ビットコイン(BTC)はドナルド・トランプ米大統領による停戦宣言後に7万2700ドル台を回復し、約2時間で5億9500万ドル(約893億円)規模の清算が発生した。

CoinDeskが8日に報じたところによると、今回の急反発で清算の中心となったのはショートポジションだった。下落を見込んだ売り持ちが積み上がっていた局面で停戦報道が伝わり、相場が急反転。ショートスクイーズが一気に進んだ。

清算額の内訳は、ショートが4億2700万ドル(約641億円)、ロングが1億6800万ドル(約252億円)。清算は短時間に集中しており、全体のうち5億800万ドル(約762億円)は直近12時間以内に発生した。このうちショートは3億9800万ドル(約597億円)に上り、3月初旬以降で最大級のショートスクイーズになったという。

清算対象となったトレーダーは11万8000人超。単一案件では、BinanceにおけるBTC-USDTのショートポジションが最大で、清算額は約1179万ドル(約18億円)だった。

資産別の清算額は、ビットコインが2億4500万ドル(約368億円)で最多。イーサリアム(ETH)が1億2600万ドル(約189億円)で続いた。ブレント原油とWTIに連動するトークン化先物でも、それぞれ数千万ドル規模の清算が追加で発生した。

原油相場の急落も清算拡大に拍車をかけた。紛争を背景に上昇圧力が強まっていた原油は、停戦期待が広がったことで急反落。ブレント原油は99ドル、WTIは95ドル近辺まで下落し、下落率は10%を超えた。これに伴い、エネルギー関連ポジションに加え、金や銀など安全資産関連のトークンでも連鎖的な清算が広がった。

市場心理はもともと弱気に大きく傾いていた。恐怖・強欲指数は6日時点で8まで低下し、紛争期間を通じて10を下回る水準で推移。Santimentのデータでも、ソーシャルメディア上では弱気投稿が強気投稿を5対4で上回っていた。

こうしたセンチメント指標とポジショニングがそろって下方向を示していたなかで停戦報道が流れ、ポジションの巻き戻しが一気に進んだ形だ。価格急騰と大規模な清算が同時に起きた背景には、この急速な反転があるとみられる。

もっとも、停戦の実効性はなお不透明だ。トランプ大統領は「双方の停戦」を宣言した一方、イランはホルムズ海峡の通過問題を巡って一定の条件を残している。

今回の反発で、ビットコインは紛争開始後の乱高下で形成された6万5000〜7万3000ドルのレンジ上限に再び接近した。市場の焦点は、2週間の停戦が実際に維持されるか、そして今回の戻りがレンジ突破につながるかに移っている。

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