AIコーディングツールへの過度な依存が、開発者の睡眠障害や認知負荷の増大を招いている。Axiosが4日(現地時間)に報じた。関係者の間では、長時間利用による過度なのめり込みや、生活リズムの乱れを訴える声が出ている。
OpenAIの共同創業者アンドレイ・カルパシ氏は、ポッドキャスト「No Priors」で、自身が昨年12月以降「AI psychosis」と呼ぶような状態に陥っていると語った。1日16時間、AIエージェントに指示を出し続ける生活を送っているという。
同氏によれば、自分で書くコードとAIに任せるコードの比率は、昨年12月を境に80対20から0対100へと逆転した。月末にトークンが余ると「極度に不安になる」とし、残りを急いで使い切ってしまうとも述べた。
Y Combinatorの最高経営責任者(CEO)、ギャリー・タン氏も1月、ソーシャルメディアへの投稿で、コーディングツールの使用体験を「cyber psychosis」と表現した。「前日は19時間起きたままで、眠ったのは午前5時だった」としている。
タン氏はその後、最高技術責任者(CTO)が36時間眠らなかったことを誇るスタートアップ創業者に対し、「不健康なやり方だ」と警鐘を鳴らした。
開発者でブロガーのサイモン・ウィリソン氏は、ポッドキャスト「Lenny's」で、「人間の認知には限界がある」と指摘した。その上で、「エージェントコーディングのために睡眠を犠牲にするのは持続不可能だ」と語り、AIコーディングツールの使い方にはギャンブルや依存に似た側面があるとの見方を示した。
Rootlyの共同創業者兼CTO、クエンティン・ルソ氏は、エージェントコーディングへ切り替えた後、数カ月にわたって眠れない状態が続き、最終的に睡眠薬の処方を受ける必要があったと明らかにした。
ルソ氏は「AIコーディングツールはスロットマシンのようなものだ」と説明する。プロンプトを入力すれば応答が返り、コーディングは前に進む一方、エージェントが完全に失敗することもあるという。その上で、「こうした生産性ツールに最初にのめり込むのは創業者だ。私たちはこのシステムの最初の被害者のようなものだ」と語った。