Solus Advanced Materialsは3月24日、全固体電池向けのニッケルめっき銅箔集電体の開発を完了し、量産拡大に向けたスケールアップに着手したと発表した。2027年前後とされる全固体電池の商用化を見据え、技術競争力とコスト競争力の両立を図る。
全固体電池は、固体電解質の種類によって硫化物系、酸化物系、高分子系に大別される。このうち硫化物系は、イオン伝導度とプロセス効率の面から商用化の可能性が最も高いとされる。一方で、電解質中の硫黄成分が従来の銅箔と反応して腐食を引き起こす課題があり、材料面での対応が求められていた。
同社が開発したニッケルめっき銅箔は、銅の表面にニッケルを高精度でめっきすることで、腐食反応を抑えつつ、銅本来の導電性とコスト競争力を維持する材料だ。純ニッケル箔を使う場合に生じるコスト上昇やプロセス効率の低下といった課題の解決を狙って開発したという。
独自のめっき技術により、500nm以下の極薄箔でも表面全体を均一に覆う、無欠陥(Zero-Pit)レベルのめっきを実現した。めっき層が薄いほど発生しやすい表面欠陥であるピットの発生を抑える技術としている。
今回の技術は、硫化物系全固体電池における腐食抑制にとどまらず、無負極(アノードレス)電池への対応も見据えて開発を進めている。無負極電池向け技術では、表面処理によってデンドライトの成長を抑え、電池の安定性向上と長寿命化を図る。次世代電池向け集電体の研究開発を継続し、グローバル市場での技術競争力を高める方針だ。
同社関係者は「当社の極薄ニッケルめっき技術は、化学的安定性と経済性を同時に満たす高度な技術だ」とコメントした。そのうえで、「次世代電池向けプロジェクトを通じ、顧客が求める物性を精緻に実現しながら、研究開発力を継続的に強化していく」と述べた。