Samsung Electronicsは3月18日、AMDと次世代AIメモリやコンピューティング技術分野での協業を拡大するため、平沢事業場で覚書(MOU)を締結したと発表した。締結式には、Samsung ElectronicsのDS部門長を務めるチョン・ヨンヒョンDS部門長と、AMDのリサ・ス最高経営責任者(CEO)ら両社の経営陣が出席した。
今回の覚書に基づき、Samsung ElectronicsはAIアクセラレーター向けのHBM4をAMDに優先供給する。AMDは次世代AIアクセラレーター「Instinct MI455X」にHBM4を採用する予定で、同製品はデータセンターでAIモデルの学習や推論を担うGPUとなる。
HBM4のデータ転送速度は最大13Gbpsで、業界標準の8Gbpsを上回る。最大帯域幅は3.3TB/秒に達するという。Samsung Electronicsは、1c DRAMと4nmベースダイ技術を適用したHBM4について、業界で初めて2月に量産出荷を開始したとしている。
同社は、AMD向けHBM4の供給を通じて、HBM市場での主導権強化につなげたい考えだ。
両社はAIデータセンター分野でも協業を広げる。ラック単位のAIサーバー統合プラットフォーム「Helios」や、第6世代EPYCサーバーCPUの性能向上に向け、高性能DDR5メモリソリューションでも連携を進める。
Samsung Electronicsはこのほか、AMDの次世代製品の受託生産を視野に、ファウンドリ分野での協議も継続する。メモリ、ファウンドリ、パッケージングを組み合わせたターンキーソリューションを軸に、AMDとの協力を広げる方針だ。
チョン・ヨンヒョンDS部門長は「SamsungとAMDはAIコンピューティングの発展という共通の目標を共有している。今回の覚書で協力の幅はさらに広がる」とコメントした。そのうえで「業界をリードするHBM4、次世代メモリアーキテクチャ、最先端のファウンドリ・パッケージング技術まで、SamsungはAMDのAIロードマップを支える独自のターンキー能力を備えている」と強調した。
リサ・スCEOは「次世代AIインフラの実現には、業界全体の緊密な協力が欠かせない」と述べたうえで、「Samsungの先端メモリ技術におけるリーダーシップと、AMDのInstinct GPU、EPYC CPU、ラックスケールのプラットフォームを組み合わせられることを大変うれしく思う」と語った。
Samsung Electronicsはこれまで、AMDの最新AIアクセラレーター「MI350X」「MI355」に搭載されるHBM3Eの主要サプライヤーだった。Samsung Electronicsは、今回の覚書締結を機に、AIとデータセンター向け次世代メモリ分野でAMDとの連携をさらに強化し、顧客に最適なAIインフラの提供を目指すとしている。