Gigazineは1月13日、マンチェスター・メトロポリタン大学の組織心理学を教えるイオアニス・クラチオティス教授が、職場で自分と周囲の幸福感を高める5つの実践を示したと報じた。
クラチオティス教授は、周囲から支援を得られているという実感が、自律性、達成感、関係性という3つの心理的欲求を満たしやすくすると指摘する。今回示した5つの習慣は、そうした考え方を踏まえたものだ。
1つ目は、互いに助け合うことだ。支援は大がかりである必要はなく、ちょっとした助言や近況を気軽に共有するだけでもよいという。小さなやり取りが周囲とのつながりを強め、日々の仕事を進める支えになるとしている。
また、助け合いは一方通行ではなく、双方向であるほど効果が高いとした。必要なときには助けを求め、余裕があるときには先に手を差し伸べることが望ましいという。
2つ目は、小さな達成を見逃さないことだ。幸福感を支える重要な要素の1つが達成感であり、大きなプロジェクトの完了でなくても、滞っていたメール対応を片付けたり、小さな課題を解決したりすることでも十分だとしている。
こうした小さな成功を自分で認める習慣は、業務時間外にも前向きな気持ちをもたらすという。
3つ目は、自分にも他者にも自律性を持たせることだ。仕事への向き合い方に一定の裁量や余白があるだけでも、気分は変わるとする。
同僚に業務を任せる際に裁量を与えれば信頼関係が深まり、自分自身にもゆとりを確保することで、集中力やモチベーションの維持に役立つと述べた。
4つ目は、退勤前にひと言を交わすことだ。同僚への短い感謝の言葉やちょっとした会話が、その日の職場の空気を和らげるという。
こうして積み重ねた前向きな関係は、つらい場面で頼れる支えにもつながるとしている。
5つ目は、心理的バランスを見直すことだ。自律性、達成感、関係性のいずれかが欠けると、疲労感が生じやすくなるという。
すべての欲求を完璧に満たそうとするのではなく、今の自分に何が不足しているのかを把握し、バランスを整えることが重要だと説明した。不足に気づいた時点から、それを補う行動を始められるとしている。
クラチオティス教授は、職場での幸福は大きな成果だけで生まれるものではなく、日々の小さな実践と心理的バランスの積み重ねによって育まれると強調した。その上で、「すべてを完璧にやり遂げようとするより、今の自分に何が足りないのかに気づくことが重要だ」と助言している。