Applied MaterialsとSK hynixは3月11日、次世代DRAMとHBMの開発に向けた長期的なR&D提携を結んだと発表した。AIおよびHPC向けメモリ技術の開発を加速する狙いで、米国に新設するEPICセンターを拠点に、新材料、プロセス統合、先端パッケージングの共同開発を進める。
両社は、シリコンバレーにApplied EPICセンター(Equipment and Process Innovation and Commercialization)を年内に開設し、稼働させる計画だ。SK hynixは創設パートナーとして参画し、両社のエンジニアが現地で連携して開発を進める。
初期の共同イノベーションプログラムでは、新材料の探索に加え、プロセス統合やHBM向け先端パッケージングに重点を置く。メモリのアーキテクチャが次世代ノードへ移行するなかで、材料技術、プロセス統合、3D先端パッケージングにまたがる技術課題に共同で取り組む。
SK hynixはあわせて、シンガポールにあるApplied Materialsの先端パッケージングR&D基盤も活用し、異種集積分野への対応も進める。
今回の提携は、EPICセンターが掲げる共同開発モデルを土台とするもの。チップメーカーがApplied MaterialsのR&Dポートフォリオに早い段階からアクセスすることで、開発サイクルを短縮し、次世代技術の量産化を早められるとしている。
SK hynixの未来技術研究院長兼CTO、チャ・ソンヨン氏は「共同イノベーションプログラムでは、デバイスエンジニアリングと先端パッケージング全般にわたり、新材料、プロセス統合、熱管理技術に注力する」と説明した。その上で「EPICセンターでApplied Materialsのエンジニアと連携することで、学習サイクルの短縮と量産レベルでの技術検証を進め、次世代AIメモリの開発を前倒しできる」と述べた。
EPICセンターは、Applied Materialsによる米国で過去最大規模の先端半導体製造装置R&D投資と位置付けられている。顧客プロジェクトの進捗に合わせ、投資額は段階的に50億ドル(約7500億円)規模まで拡大する予定。初期研究から大規模量産までの商用化期間を短縮する設計で、年内の正式稼働を前に主要企業の参加が続いているという。
Applied Materialsの会長兼CEO、ゲイリー・ディッカーソン氏は「Applied MaterialsとSK hynixはこれまでも、材料工学の革新を通じて先端メモリチップのエネルギー効率向上に取り組んできた」とコメントした。さらに「SK hynixをEPICセンターの創設パートナーとして迎えられることをうれしく思う。AI時代に向けた次世代DRAMとHBMの商用化を前倒しする有意義な成果を、ともに生み出したい」と述べた。
SK hynixのクァク・ノジョン社長は「AIシステムの継続的な拡大により、省電力性に優れたメモリ技術への需要はかつてない水準に高まっている」とした上で、「AIの進化における最大の課題は、メモリ性能とプロセッサ性能のギャップが広がっていることだ」と指摘した。
その上で「この制約を克服するには、より高速で電力効率に優れたデータ処理を支える先端メモリ技術が必要になる。新設するEPICセンターでApplied Materialsとの協力を深め、AIに最適化した次世代メモリソリューションの実現につながる革新を進めたい」と述べた。