TSMCの工場内部。写真=TSMC

台湾の半導体工場で、装置間の互換性不足が物流自動化の足かせになっている。工場の68%が装置間の非互換によるボトルネックを抱える中、韓国の装置メーカー各社はAIベースの統合制御ソリューションを武器に、台湾市場の開拓を進めている。

Intel Market Researchによると、台湾政府は154億台湾ドル(約5億ドル)規模の「半導体自動化プログラム」を進めている。TSMCも台湾で約10カ所の新工場建設を進めており、物流自動化インフラへの需要が急速に高まっている。

最大の課題は装置の互換性だ。装置メーカー各社が製品差別化を狙って独自機能を盛り込んできた結果、仕様の食い違いが解消されていないという。こうしたずれは個別調整や追加検証を招き、運用の複雑化と総所有コスト(TCO)の上昇につながる。

同調査では、台湾の工場の68%が、異なる装置ブランド間でFOUP(ウエハー搬送容器)を使う際に機械的インターフェースの問題を抱えているとした。3ナノメートル(nm)以下の先端プロセスでは汚染管理の要件が一段と厳しくなり、影響はさらに大きい。3ナノ以下のファウンドリーでは、7ナノ工程に比べて容器の交換頻度が最大50%高いという。

こうした状況については、日本の装置業界が独自規格を維持していることが一因との指摘もある。Daifukuなど日本企業はOHTのハードウェア性能を重視する一方、異機種装置をまたぐ統合制御には慎重だとされる。

ただ、現場で求められているのは単純な搬送能力だけではない。工程全体を見渡して制御する統合力の重要性が高まっている。物流自動化市場がインダストリー4.0を前提とした統合環境へ移行しているためだ。Intel Market Researchは、センサー内蔵のスマート装置が2027年までに市場の35%を占めると予測する。スマートモニタリングを導入した企業では、ウエハー廃棄率が22%低下したという。

この需要を狙うのが韓国勢だ。日本勢がハードウェア中心の競争を続ける間、韓国の装置メーカーはAIとロボット制御技術を組み合わせたスマートファクトリー向けの統合管制ソリューションを打ち出している。

SFAは、AIとデジタルツインを組み合わせたスマートAMHS(自動物流搬送システム)の統合ソリューションを前面に掲げる。最近はHBMラインにスマート物流システムを供給し、異機種装置を統合してボトルネックを解消する能力を強みに挙げる。

SEMESは、2024年時点でOHT(Overhead Hoist Transport)の量産機1万台を出荷した。OHTは半導体ラインの天井に敷設した固定レールに沿って、ウエハーを収めたFOUPを各工程装置へ搬送する自動化システム。独自開発後、年間数千億ウォン規模の輸入代替効果を上げているという。KoYoung Technologyは、AIベースの工程最適化プラットフォーム「KSMART」を通じて、異常の自動識別や設備のリアルタイム最適化機能を提供している。

業界関係者は「3ナノ以下の超微細プロセスでは、装置間のわずかなずれが歩留まり低下に直結する」と指摘。「ライン全体の流れを把握し、調整する統合能力の重要性が増している」と話した。

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