メモリ半導体の製造工程が長期化・高度化する中、ウエハー保管容器「FOUP」が歩留まりを左右する重要部材として注目を集めている。HBMではウエハーが工場内に100日超とどまるケースもあり、FOUP内部の汚染や湿度を管理する洗浄・制御装置の需要が拡大している。
業界関係者によると、FOUPはウエハー25枚を収容し、工程装置の間で搬送・保管するための容器だ。外見上は樹脂製の容器にすぎないが、内部の清浄度を維持できなければ歩留まりが低下し、数千億ウォン規模の装置の稼働にも影響が及ぶ可能性があるという。
背景にあるのは、先端半導体で工程数が増え、ウエハーの滞留時間が大幅に長くなっていることだ。業界によれば、28ナノ世代ではサイクルタイムが約40日だったのに対し、5ナノ・3ナノでは100日超に伸びた。HBMはさらにTSV(貫通電極)や積層工程が加わるため、滞留期間は一段と長い。製造期間の7割超をFOUP内で過ごす計算になる。
課題は、FOUP内での保管時間が長いほど汚染リスクが高まる点にある。内部の湿度が高いとウエハー表面に酸化膜が形成される恐れがあり、処理後のウエハーから発生するガス状の微粒子が別のウエハーに影響することもある。
こうした汚染はAMCと呼ばれ、10ナノ未満の微細工程ではナノメートル単位のわずかな汚染でも歩留まりに深刻な影響を与える。FOUPの汚染が判明すれば洗浄や交換が必要となり、高価なEUV露光装置など数千億ウォン規模の設備が停止を余儀なくされる場合もある。
このため、FOUP内部の環境を制御する技術の重要性が高まっている。FOUPは単なる保管容器ではなく、ウエハー品質を左右する「移動するクリーンルーム」としての役割を担う。湿度と汚染をどこまで精密に管理できるかが、歩留まりに直結するためだ。
こうした流れを受け、FOUP関連装置・部品の受注も増えている。ISTEは20日、SK hynixからFOUPクリーナーを追加受注したと発表した。清州の新設ファブと利川ファブ向けの案件だとしている。
ISTEによると、2026年1月以降の累計受注額は前年同期比で300%超増加した。同社関係者は「HBMとDDR5 DRAMの増産を背景に、新設ファブと既存ファブの双方で装置需要に対応している」と説明した。
FOUP内部の環境管理ソリューションの需要も広がっている。Jusung Engineeringは第1世代ソリューション「N2パージ」として、FOUP内に窒素を注入し、湿度を45%から5%まで下げる技術を提供している。
ただ、工程の微細化が進んだことで、湿度5%でも不十分になりつつある。Jusung Engineeringの第2世代ソリューション「JFS」は、垂直層流制御技術を用いて湿度を1%未満まで低減する。ウエハー搬送装置「EFEM」からFOUPに流入する高湿度の気流を遮断する方式だ。
業界によると、同社はこの技術をSamsung Electronics、SK hynix、Micronの主要メモリ3社すべてに供給した。
### HBM生産能力拡大で後工程向け装置・部品需要も増加
メモリ大手3社のHBM生産能力が急拡大する中、後工程への設備投資も続いており、FOUP関連市場への関心は一段と高まりそうだ。Daishin Securitiesによると、DRAM大手3社のHBM生産能力は、2025年末の月36万枚から、2026年末には月49万5000枚、2027年末には月58万枚へ拡大する見通し。歩留まり確保が難しいHBM4の立ち上がりが本格化することが背景にあるという。
各社はこれに対応するため、後工程投資を拡大している。SK hynixは清州に7万坪規模の次世代先端パッケージング工場「P&T第7工場」を建設する。総額19兆ウォンを投じ、2027年末の完成を目指す。
米インディアナ州では約38億7000万ドルを投じ、AI向けメモリの先端パッケージング工場を建設中で、2028年下半期の量産開始を目標とする。Micronもシンガポールに70億ドルを投資し、後工程の新工場を建設しており、2027年の本格稼働を予定している。
後工程の増設が進むほど、FOUP洗浄装置や湿度制御装置など、工程環境を管理するソリューションの重要性はさらに高まる見通しだ。Daishin Securitiesは「HBMの浸透拡大に伴い、後工程のファブスペース不足が深刻化している」としたうえで、「後工程装置とOSATに注目する必要がある」と分析している。