Samsung ElectronicsのHBM4製品。写真=Samsung Electronics

Samsung Electronicsは2月12日、次世代の高帯域幅メモリ(HBM)「HBM4」を世界で初めて量産開始したと発表した。転送速度はJEDEC標準比46%高い11.7Gbps、電力効率は前世代比40%改善した。2026年のHBM売上高は、前年比で3倍超に拡大するとの見通しも示した。

HBM4には、1c(10ナノ級第6世代)DRAMと4ナノメートルのベースダイを採用した。Samsung Electronicsによると、開発初期からJEDEC基準を上回る性能目標を設定し、従来の実績プロセス中心の開発方針を改めて、先端プロセスを前倒しで導入したという。これにより、再設計を行うことなく、量産初期から安定した歩留まりと性能を確保したとしている。

メモリー開発担当副社長のファン・サンジュン氏は、「プロセス競争力と設計改善によって十分な性能拡張余力を確保し、顧客の性能向上ニーズに適時対応できた」とコメントした。

主要指標では、動作速度がJEDEC標準の8Gbpsを46%上回る11.7Gbpsに達した。最大13Gbpsまで実装可能としている。前世代のHBM3Eの最大ピン速度9.6Gbpsと比べると、約1.22倍の向上となる。

総メモリ帯域幅は、HBM3E比で約2.7倍の最大3.3TB/sに達し、顧客が求める3.0TB/sを上回った。容量は12段積層で24GB〜36GBを用意し、顧客の製品投入時期に合わせて16段積層も適用、最大48GBまで拡張する計画だ。

HBM4では、データ転送用I/Oピン数を従来の1024本から2048本へ倍増した。一方で、消費電力や発熱の増加が課題となるため、コアダイに低消費電力設計を採用。シリコン貫通電極(TSV)駆動回路の電圧を1.1Vから0.75Vへ引き下げ、TSV駆動時の電力を約50%削減した。電力分配ネットワーク(PDN)の最適化も進めた。

その結果、エネルギー効率は前世代比で約40%、熱抵抗特性は約10%、放熱特性は約30%改善した。Samsung Electronicsは、データセンター事業者にとって、GPUの演算性能を引き上げつつ、サーバーやデータセンター単位の電力消費と冷却コストの抑制につながるとしている。

HBM4Eは2026年下期にサンプル出荷、Custom HBMは2027年から

Samsung Electronicsは、2026年のHBM売上高が2025年比で3倍超に増えるとみて、HBM4の生産能力を先行して拡大している。世界の主要GPUメーカーに加え、自社チップを設計するハイパースケーラーからもHBMの供給要請が続いているという。

供給安定性について同社は、ロジック、メモリー、ファウンドリー、パッケージングをまたぐ「ワンストップソリューション」を提供できる総合半導体メーカーである点を強調した。自社ファウンドリープロセスとHBM設計の間でDTCO(設計・技術共同最適化)を緊密に進められるほか、先端パッケージングも内製化しており、サプライチェーンリスクの抑制と生産リードタイムの短縮につながるとしている。

生産インフラ面では、業界最大規模のDRAM生産能力と、あらかじめ確保してきたクリーンルームを基盤に、需要拡大にも柔軟に対応できると説明した。2028年に本格稼働する平沢事業場第2団地の5ラインは、HBM生産の中核拠点として活用する見通しだ。

次世代製品のロードマップも示した。HBM4の動作速度、帯域幅、電力効率をさらに高めた「HBM4E」は、2026年下期にサンプル出荷を予定する。AIアクセラレーターやGPUアーキテクチャに合わせて容量、速度、電力特性などを最適化するCustom HBMは、2027年から顧客ごとに順次サンプリングを始める方針だ。

同社関係者は、「HBM4の量産で確立した1cプロセス基盤の品質と供給安定性は、今後HBM4EやCustom HBMといった高付加価値製品へ展開していくうえで、重要な競争力になる」と述べた。

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