DWF Labsは、ビットコイン現物ETFの資金フローが相場の先行指標というより、すでに形成された価格トレンドを追認する性格が強いとする報告書をまとめた。Cointelegraphが22日、報じた。
報告書によると、ETF投資家は上昇相場で資金を投じ、下落相場では資金を引き揚げる傾向が強い。DWF Labsは、2024年1月のビットコイン現物ETF上場以降の694取引日を分析。ビットコイン価格が15%超下落した8回のうち7回で純流出が発生し、15%超上昇した9回の局面ではすべて純流入となった。
日次のETF資金フローと、直近5取引日のビットコイン価格変動との相関係数は0.54だった。一方、その後5取引日の価格変動との相関係数は0.03にとどまった。DWF Labsは、ETF資金フローは値動きの追認にはなるものの、先行的な予測力は乏しいとみている。
足元の2回の下落局面では、資金流出額も大きかった。2025年10月〜2026年2月にかけては69億ドルが純流出し、2026年5〜6月の下落局面でも82億ドルが流出した。ただ、これらの資金流出の主体が機関投資家か個人投資家かは切り分けていない。
また、ETFへの流入資金がすべてビットコインの上昇を見込んだ買い需要とは限らないとの見方も示した。一部投資家はETFを買う一方で、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)のビットコイン先物を売り、現物と先物のスプレッドを狙う取引を行っている。DWF Labsは、資金フロー全体の約2割が、こうしたヘッジ目的の取引に伴う可能性があると推定した。
機関投資家の動きも一様ではない。CoinSharesが6月に公表した分析では、機関投資家は2026年1〜3月期にビットコイン現物ETFのエクスポージャーを17%縮小した。減少分の約96%をヘッジファンドとブローカレッジが占めた一方、金融セクターは保有を積み増したという。
ビットコインのボラティリティは、ETF上場後にやや低下した。報告書では、15%超下落する調整はETF上場後、年平均で約3回発生したとした。2022〜2023年の約4回、2021年の約8回と比べて減少している。下落のスピードも鈍化したが、下落幅そのものに大きな違いはなかった。調整局面の下落率中央値は21.3%で、2022〜2023年の19.4%と近い水準だった。
もっともDWF Labsは、こうした変化をETF上場の効果だけで説明することには慎重だ。2024年の上場前からボラティリティと調整頻度は低下傾向にあり、ETF需給を読む際には流入額の大小だけでなく、投資主体やヘッジ需要の比重もあわせてみる必要があると指摘した。
今回の分析は、ビットコイン現物ETFの資金フローだけで相場の方向性を見極めるのは難しいことを示している。市場の強弱を判断するには、流入・流出の規模に加え、その資金の性格まで見極める必要がある。