SpaceXは、Starlink衛星と他社衛星の接近事案が相次いでいるとして、軌道情報を共有しない衛星運用事業者を批判した。直近6カ月で確認された潜在的な接近リスクは約16万4000件に上るという。
Business Insiderが7日(現地時間)に報じたところによると、SpaceXは6日付のブログで、他社が衛星の予測軌道を共有しないまま機動した場合、地球低軌道(LEO)での衝突リスクを高めるおそれがあると指摘した。SpaceXは現在、約1万1000機のStarlink衛星を運用している。
同社によれば、今年に入ってStarlinkは約650機の他社衛星との間で潜在的な接近事案に直面した。このうち約半数は、相手側の衛星が位置情報を共有していなかったケースだったという。
特に8月には、Starlink衛星1機が別の衛星に134メートルまで接近した。相手衛星が事前通知なく進路を変更したためで、SpaceXは当該のStarlink衛星が太陽電池アレイの向きを変えるなどして衝突を回避したとしている。
2025年10月にも、別の衛星が軌道を変更したことで、Starlink衛星との距離が57メートルまで接近するおそれがあった事例があった。SpaceXは、他社が推進機動を含む予測軌道を共有しなければ、衝突リスクを適切に低減できないと強調した。
また、直近6カ月でStarlinkが観測した潜在的な接近リスクは約16万4000件に達したと明らかにした。すべてが高リスク事案ではないものの、事前予告のない機動の後に正確な軌道情報が共有されなければ、相手衛星の動きを把握しにくくなり、衝突リスクが高まる可能性があると説明している。
同社は、他社に対して衝突リスクの判定プロセス上の問題を通知しており、一部の運用事業者はSpaceXからの連絡を受けて初めて問題を認識したとも述べた。
低軌道の混雑に伴う衝突リスクは、SpaceX自身も以前から指摘されてきた課題だ。SpaceXは今年1月、衝突リスクを抑えるため、Starlink衛星約4400機の位置を調整すると表明している。
さらに同社は、今年Starlinkに接近したにもかかわらず軌道情報を共有しなかった衛星のうち、相当数が中国から打ち上げられた衛星だったとしている。
一方、中国は2021年、Starlink衛星2機が自国の宇宙ステーション「天宮」と衝突しかけたとして、国連に問題を提起した。SpaceXはその一方で、Starlinkを最大10万機まで拡大し、軌道データセンターで最大100万機を運用する計画を進めている。