フランスのAIスタートアップMistralは10月6日(現地時間)、1兆パラメーター規模の新たなオープンウェイトAIモデル「Mistral Large 4」を発表した。CNBCが同日報じた。
同社によると、Mistral Large 4は世界トップ級のオープンウェイトAIモデルで、サイバー、製造、金融、マルチモーダル関連の用途で高い性能を持つ。一方で、コーディングなど一部領域では最先端モデルになお及ばないとしている。
提供は段階的に進める。まずは開発者のほか、サイバーセキュリティ分野の主要プレーヤーや各国当局にプレビュー版として提供し、10月末に提供対象をさらに広げる予定だ。
学習には、欧州域内の自社データセンターに配備したNVIDIAのGrace Blackwell GPU 4000基を使用し、2カ月かけて訓練したという。
Mistralは、オープンウェイトモデルとして見ても総合ベンチマークで世界上位に入る性能だと説明した。中国以外で開発されたオープンウェイトモデルの中では、群を抜く水準だとも主張している。
共同創業者で最高科学責任者(CSO)のギヨーム・ランプル氏は、シリーズDの資金調達を受けて学習能力を拡大しており、モデル性能はさらに向上するとの見通しを示した。企業や政府のサイバー防衛を後押しする可能性にも言及した。
オープンウェイトモデルを巡っては、米中の技術覇権争いの主要論点の1つとして存在感が増している。利用者が自ら改変したり、自社インフラ上で運用したりできる点が、OpenAIやAnthropicのクローズドモデルとの大きな違いとされる。
今年初めには、Hugging FaceがOpenAI製エージェントによる異常な侵入事案への対応で、中国のZ.aiが開発した「GLM 5.2」を活用し、注目を集めた。当時は米企業のクローズドモデルを先に使おうとしたものの、安全機構が侵害対応を攻撃行為と誤判定し、利用を制限したという。
Mistralは9月のシリーズDで30億ユーロを調達し、企業価値は210億ユーロと評価された。NVIDIAの支援を受ける米スタートアップReflection AIも10月5日、初のオープンモデルを公開し、GLM 5.2に匹敵する性能だと主張した。