米政府が押収していた約5億6587万ドル(約849億円)相当の暗号資産を、数時間のうちにCoinbase Primeへ移したことが分かった。ブロックチェーンメディアのU.Todayが7日、報じた。
送金対象にはビットコイン(BTC)とテザー(USDT)が含まれる。移された資産の一部は、FTXおよびAlameda Research関連、または2016年のBitfinexハッキング事件関連の押収分とみられている。
直近では9415万USDTが移された。オンチェーン分析プラットフォームのOnchain Lensは、これを経営破綻した暗号資産交換業者FTXと、そのトレーディング子会社Alameda Researchに関連する押収資産と分析した。これに先立つ送金分を含めると、移動総額は約5億6587万ドルに達する。
これまでに確認された移動分で最大だったのは3974BTCで、規模は約3億2995万ドル。Onchain Lensは、2016年のBitfinexハッキング事件に関連する押収分と分類している。別の取引では、657.92BTC(約5455万ドル)、ラップドビットコイン(WBTC)750.19WBTC(約6234万ドル)、2489万USDT(約2488万ドル)も送金された。こちらはFTXおよびAlameda Research関連の押収資産と特定された。
送金経路にも注目が集まっている。一部の暗号資産は新たに作成されたアドレスを経由した後、最終的にCoinbase Primeへ送られた。ただ、Coinbase Primeへの移管が直ちに市場での売却を意味するわけではない。米連邦保安官局は2024年、大規模なデジタル資産ポートフォリオのカストディと高度な取引サービスの委託先としてCoinbase Primeを選定しており、今回の移動も売却ではなく、保管・管理目的の可能性がある。
今回動いた資産の背景には、過去の大型事件がある。Bitfinexは2016年のハッキングで約11万9754BTCを流出した。米当局はその後、ハッカーのイリヤ・リヒテンシュタインの秘密鍵を押さえ、9万4000BTC超を回収。2022年時点の押収資産価値は約36億ドル(約5400億円)とされ、リヒテンシュタインは資金洗浄共謀罪を認めている。
市場では、今回の移動が売却準備なのか、それとも既存のカストディ体制内での資産再配置にとどまるのかに関心が集まっている。現時点で米政府は、取引の具体的な意図を明らかにしていない。