米10年債利回りが5.3%近辺まで上昇する高金利局面でも、Bitcoinは2024年1月以降に84%超上昇した。債券利回りの上昇は相対的に安全な投資先としての魅力を高め、Bitcoinのようなリスク資産には逆風となりやすいが、金利上昇だけで足元のBitcoin安を説明できるほど明確な相関は確認されなかった。
Bitcoinは7日、8万4000ドルを下回る水準で推移した。UTCベースの14時25分時点では約8万3086ドル(約1246万円)だった。
米10年物の名目国債利回りは6日に5.27%となり、前日の5.31%からやや低下した。5日の5.31%は、2017年1月以降の日次ベースで最高水準だった。
インフレ要因を織り込んだ10年物の実質国債利回りも、6日に2.91%を記録した。前日の2.95%を下回ったものの、5日の2.95%は同期間で最高だった。
こうした高い国債利回りは、投資家に利息収入を見込める代替投資先を提供するため、Bitcoinのようなリスク資産に求められる期待収益率のハードルを押し上げる可能性がある。
もっとも、Bitcoinと金利の関係は単純ではない。CryptoSlateが2017年1月から2026年10月5日までの日付をそろえた2435件の日次データを分析したところ、Bitcoinのリターンと、名目・実質国債利回りの変化幅、ドル指数リターンとの線形相関はいずれも弱い水準にとどまった。
米国で現物Bitcoin ETFの取引が始まった後に当たる2024年1月11日から2026年10月5日までの682件を対象にした分析でも、明確な逆相関は確認されなかった。
Bitcoinは、米国で現物Bitcoin ETFの取引が始まる前日の2024年1月10日から2026年10月5日までに84.2%上昇した。同じ期間に、米10年債の名目利回りは127bp、実質利回りは113bp上昇した。
これは、金利上昇局面でもBitcoinが上昇し得ることを示す一方、このデータだけで現物Bitcoin ETFが上昇を主導したと結論づけることはできない。
月次ベースでは結果がやや異なった。2017年2月から2026年9月までの116カ月でみると、Bitcoinと名目金利変化の相関係数はマイナス0.081、実質金利はマイナス0.228、ドル指数はマイナス0.164だった。
一方、現物Bitcoin ETFの取引開始後に当たる2024年2月から2026年9月までの32カ月では、それぞれプラス0.207、プラス0.126、プラス0.002となった。ただ、標本数は32カ月にとどまり、これを構造的な関係変化と断定するのは難しい。
分析には、CoinbaseのBitcoin価格に加え、米連邦準備制度理事会(Fed)のFREDが提供する名目・実質国債利回り、Yahoo Financeのドル指数データを用いた。欠損値は除外しており、週末や休場日の影響で、共通する日付間のリターンに複数日分の値動きが含まれる場合がある。
また、各データは終値の時点が異なるため、同一時間帯の値動きを比較した分析ではない。
総じて、米10年債利回りが5.3%に接近し、Bitcoinが競合する無リスクに近い利回りの魅力は高まっている。ただ、足元のBitcoin下落を金利上昇だけで説明するのは難しい。Bitcoinと金利の相関は時期や分析の時間軸によって変わるため、金利は価格変動の直接要因というより、投資妙味を左右するマクロ変数として捉える必要がある。