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McDonald'sは投資家・アナリスト向けイベントで、今後3年間の成長戦略「McDonald's Next」を公表した。AIを中核に店舗運営を見直し、音声注文や在庫管理、データ基盤の統合を進める。AIと店舗改装などに85億ドルを投じ、店舗効率の引き上げを目指す。

Constellation Researchによると、同社は成長の柱として、データフライホイール、AIベースの店舗運営システム、Googleとの戦略的提携、在庫管理とサプライチェーンの効率化を挙げた。

データフライホイールは、データの蓄積によってサービスが改善され、その改善がさらに新たなデータを生む循環構造を指す。

McDonald'sが効率化を急ぐ背景には、インフレの影響がある。同社が直営する市場では、来店客数の伸び鈍化が見込まれているためだ。

クリストファー・ケムチンスキーCEOは、最大の強みはデータにあると強調した。「当社は毎日7000万人超に食事を提供しており、約2億2000万人がアプリとロイヤルティプログラムを継続的に利用している。膨大なデータと顧客インサイトは、新たなAI機能の学習にとって極めて価値の高い資産だ」と述べた。

同氏によると、McDonald'sはかつて、財務・人事システムだけでも数百種類を運用し、アプリも国ごとに個別開発していた。データは一元化されず、「レイクではなく水たまりのように分散していた」という。組織ごとに同じ業務を別々に処理する構造も残っていた。

現在は、共通の技術プラットフォームと統合された企業データ基盤の上で運用している。4万6000店超が同じシステムを利用し、新技術をまず海外市場で検証した上で米国に展開する体制も整えてきた。

AI戦略の中核を担うのが、AIベースの店舗運営システム「ArchIQ」だ。

ArchIQの活用領域は大きく4つある。1つ目はドライブスルー向けの音声AIで、音声AIモデル「Arches」が英語とスペイン語でリアルタイムに注文を受け付ける。認識精度は約90%で、同社は週50時間以上の労働時間削減を見込む。

2つ目は在庫管理の自動化だ。ArchIQは低電力Bluetoothタグを使って在庫をリアルタイムで追跡し、週当たり約5時間の作業時間を削減するほか、食品廃棄物を15%減らすとしている。

3つ目は機器連携とコンピュータビジョンで、食品品質の向上と均一化を図る。4つ目は注文内容を照合するスマート計量器で、日次で数百万件の注文を検証する。現在は1万店舗に導入しており、2028年までに設置数を2倍に増やす計画だ。

同社によると、ArchIQは中国で先行検証してきた技術だ。中国の8000店舗では、運営状況や在庫をリアルタイムで可視化する管理ツールをすでに利用している。

インフラ面ではGoogleと連携する。McDonald'sは7つの主要市場の数千店舗にGoogleのエッジ技術を配備し、AI処理を店舗内で実行する。店舗運営に直結するデータレイクには、毎日数十億件のデータが集まるという。ブライアン・ライスCIOは、共通データ構造が「継続的な学習ループ」を生み出すと説明した。

データレイク基盤の具体的な提供元は現時点で明らかになっていない。Constellation Researchは、採用情報などからGoogle Cloudが大きな役割を担い、AWSも一部領域を支えている可能性があると伝えた。

顧客接点の統合も進める。McDonald'sは、注文、マーケティング、ロイヤルティ、データを統合するグローバルモバイルプラットフォーム「GMA1」を導入し、ロイヤルティ会員データを活用したパーソナライズドマーケティングを強化する方針だ。

一方で、投資負担は軽くない。イアン・ボーデンCFOは、AIと店舗改装に85億ドルが必要になると認めた上で、慎重姿勢のフランチャイズオーナーの理解を得る必要があると述べた。

もっとも、同氏はAIが本社業務の効率化にもつながるとみている。「かつては財務システムが600、人事システムも数百あった。今は拡張可能なツールと機能を全社で活用できるようになり、効率を高められる。AIは業務プロセス全体をつなぐ上でも有効だ」と語った。

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