General Motors(GM)は9月29日、次世代EV向けのリチウム・マンガンリッチ(LMR)電池を、LG Energy Solutionとの合弁会社Ultium Cellsの米テネシー州スプリングヒル工場で量産すると発表した。LFP電池並みのコストを維持しながら、航続距離を33%高められるとし、フルサイズEVトラックやSUVで米環境保護庁(EPA)の基準400マイル(約640キロ)超を目指す。
LMR電池の量産拠点をGMが正式に示したのは今回が初めて。EV専門メディアInsideEVsも同日、この計画を報じた。
GMは2026年末から同工場の設備更新に着手し、2028年までに完了する計画だ。スプリングヒル工場は、角形LMRセルを量産する世界初の拠点になるとしている。LMRセルはこれまで、米ミシガン州ウォーレンの研究開発施設で開発を進めてきた。
LMR電池は、GMの次世代EV電池戦略の中核の一つに位置付けられる。低コストのLFP電池に比べて航続距離を33%伸ばせる一方、製造コストはLFPとほぼ同水準に抑えられるという。
搭載先は、GMのフルサイズEVトラックとSUVを想定する。LMR電池を採用した車種は、EPA基準で400マイルを超える航続距離を実現する見通しだ。
LMRの特徴は材料構成にある。基本構造はニッケル・マンガン・コバルト(NMC)電池に近いが、コバルトとニッケルの使用比率を大幅に引き下げる一方、マンガンの比率を高めた。GMは、マンガンについてコバルトやニッケルに比べて調達しやすく、採掘・加工コストも低いと説明している。
このためGMは、LMR電池をLFP並みのコストで生産しつつ、より長い航続距離を確保できるとみている。最長クラスの航続距離が求められるEVには引き続きNMC電池を使い、低価格帯モデルにはLFPを採用する。LMRはその中間帯を担う電池と位置付ける。
スプリングヒル工場では現在、エネルギー貯蔵システム(ESS)向けのLFP電池も生産している。LMR向けの設備更新が完了すれば、同工場はESS向けとEV向けの電池を併産することになる。
LMRセルを搭載した最初のEVは2028年に投入する予定だ。GMは今回の生産体制移行を通じ、研究開発段階にあったLMR電池を量産段階へ移す考えだ。