折りたたみスマホが、小型タブレットの代替候補として存在感を高めている。一方で、業務用端末まで含めて全面的に置き換えるには、なお課題が多いとの見方が出ている。
米ITメディアのEngadgetは9月27日(現地時間)、ブック型の折りたたみスマホについて、画面の大型化と携帯性の向上により、小型タブレットとの差が急速に縮まりつつあると報じた。
焦点となるのは、大画面と持ち運びやすさの両立だ。最新のiPad miniは8.3インチ。これに対し、Pixel 11 Pro FoldとGalaxy Z Fold8 Ultraは展開時に8インチ級で、差は約0.3インチにとどまる。iPhone Duoも7.6インチで、やや小さいものの大きな開きはない。
小型タブレットは別に持ち歩く必要があるが、折りたたみスマホは8インチ前後の画面を備えながら、閉じれば一般的なスマートフォンに近いサイズに収まる。この点が大きな特徴だ。
使い勝手の面でも利点がある。通常はスマホとして使い、必要なときだけ開いてタブレットに近い表示領域を確保できる。移動中の通信も手軽に利用しやすい。
タブレットでは、セルラーモデル向けに別途回線契約を結ぶか、スマホのテザリングを使うケースが多い。これに対し、折りたたみスマホは既存のスマホ向け料金プランのまま大画面を使える点が強みになる。
使用後は折りたたんでポケットに入れられるため、軽めの用途であればタブレットの代わりになり得るという。
もっとも、日常利用と業務利用の間には依然として隔たりがある。折りたたみスマホは、2〜3本のアプリを同時表示するマルチタスクや、携帯型のエンターテインメント用途には向く一方、タブレットのような広い作業領域や長時間利用時の快適さでは見劣りしやすい。
動画編集やグラフィック作業など、大画面の使いやすさが重要になる用途では、その差がより大きくなるとした。
周辺機器との接続性にも限界がある。アクセサリーを組み合わせれば出張先での簡単な作業には対応できるものの、業務の中核を担う端末として使うには無理があるという。業務までスマホ1台に集約すると、電池消費の負担も大きくなるためだ。
価格の高さも、タブレット代替需要の拡大を妨げる要因とされる。Pixel 11 Pro FoldとGalaxy Z Fold8はいずれも高価格帯に位置しており、スマホとタブレットを1台に集約するより、2台を別々に購入した方が安く済む可能性もある。
構造面の制約も残る。ヒンジと折りたたみディスプレイは中核部品だが、端末構造を複雑にし、製造コストや耐久性面の負担を押し上げる。大画面化に伴って厚みや重量が増えやすいほか、照明条件によっては内側ディスプレイの折り目が目立つこともあるという。
端末の薄型・軽量化は進んでいるものの、改善の余地はなお大きいとみられている。
ソフトウェアの最適化も課題だ。Androidの大画面対応や分割画面機能は改善しているが、展開時の大画面を十分に生かし切れていないアプリもある。縦長レイアウトをそのまま広い画面に拡大表示するケースもあり、画面が大きいだけではタブレット並みの使い勝手は確保できないという。
Engadgetは、折りたたみスマホについて、携帯性と大画面を両立することで小型タブレットの役割の一部を代替できると整理した。一方で、価格、電池持ち、耐久性、アプリ最適化といった要素を踏まえると、すべてのユーザーにとってスマホとタブレットの2台を1台で置き換える解にはならないと指摘した。
移動中でも本格的な業務利用を主目的とする場合は、専用タブレットの方がなお適している可能性があるとしている。
今回の評価は、折りたたみスマホの競合が、もはや一般的なスマホだけではないことを示している。同時に、画面、電池持ち、アプリ最適化、価格といった基本条件の改善が進まなければ、タブレット代替が本格化するのは難しいという現実も浮き彫りにした。