画像=ChatGPT

米保険業界は、病院でAIコーディングツールの導入が広がったことで、医療費が押し上げられた可能性があるとの分析結果を公表した。患者の状態が、より重症・複雑な症例として分類されるケースが増え、2年間で約9億4200万ドル(約1413億円)の追加支出が発生したとしている。

米ITメディアのTechCrunchが9月26日(現地時間)に報じたところによると、Blue Cross Blue Shield Association(BCBSA)は2023年から2025年までの保険請求データを分析した。その結果、病院が患者をより複雑な病態としてコーディングする事例が急増した一方、実際の治療内容にはそれに見合う変化が確認されなかったと説明した。

追加コストのうち約7割に当たる6億5000万ドル(約975億円)超は、主病名に付随する副次診断に関連していた。AIは検査結果や診療記録を解析して、こうした診断を見つけ出すことができるため、診断項目が追加されると、より重症度が高く支払い水準の高い請求区分に移る可能性があるという。BCBSAは、米国の病院システムの6割超がAIベースのコーディング技術を利用しているとした。

もっとも、今回の分析だけでAIが医療費増加の直接要因だと断定するのは難しい。BCBSAは、AIコーディングツールの普及と請求の複雑化との相関を踏まえ、AIがコスト増に寄与した可能性を示したとしている。

病院と保険会社の双方がAIを活用することで、新たな自動化競争が起きるとの懸念もある。Abridgeの創業者、シブ・ラオ氏は「今後はボット同士、エージェント同士が競り合う局面が生じ得る」と警告する一方で、「AIを適切に使えば、事務負担の摩擦やコストをむしろ下げられる可能性もある」と述べた。

AIは医療事務の効率化を後押しする技術として注目を集めている。半面、診断や請求の自動化が医療費にどのような影響を及ぼすのかが、新たな焦点の一つになっている。

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