中国のAIスタートアップ、Naive AIが、Tencentなどから計4億ドル(約600億円)を調達したことが分かった。企業価値は14億ドル超と評価された。米The Informationが9月18日(現地時間)に報じた。
Naive AIは北京に本社を置く。早ければ今月にも、同社初の大規模言語モデル(LLM)を投入する計画だ。モデルはDeepSeekやMoonshot、Alibabaと同様、オープンウエイトモデルとして公開する方針という。
同社を率いるのは、中国のAI研究分野で知られるダイ・ジーポン教授だ。ダイ教授はこの10年、ディープラーニングやコンピュータビジョン、ファウンデーションモデル、エージェント型AIの研究に取り組んできた。
The Informationによると、Naive AIはLLM「Naive」をゼロから開発するわけではない。コストのかかる事前学習の代わりに、中国の既存オープンウエイトモデルを基盤に活用する。ただ、具体的にどのモデルを使うかは明らかになっていない。
中国のLLM市場では、大手テック企業に加え、DeepSeekやMoonshot、Z.aiなどが存在感を示してきた。こうした中でダイ教授は、中間学習や事後学習といった開発後半の工程でモデル性能を高める技術を持つ企業にも商機があるとみているという。
Naive AIは、事前学習済みモデルの構造を見直したうえで、強化学習などを通じて改良を重ね、複数のタスクで性能を引き上げることに注力する。OpenAIやAnthropic、Googleなどが中核課題として取り組む「再帰的自己改善」に関する研究も進めている。
他社や研究機関のモデルを活用してLLMを開発する手法は、米国のAI企業でも採用例がある。ミラ・ムラティ元OpenAI幹部が率いるThinking Machines Labは7月、初のLLM「Inkling」を公開し、2024年末に登場したDeepSeek V3のオープンウエイトモデルを活用したと明らかにした。Cursorも、Z.aiのモデルを使って自社のコーディングモデルを開発した。