韓国の主要ゲーム各社が、東京ゲームショウ 2026(TGS 2026)でサブカルチャー新作を相次いで公開した。世界的に影響力の大きい日本市場で、正式リリース前に現地ユーザーの反応を探り、初期ファンの獲得につなげる狙いがある。
業界関係者によると、Nexon Games、Netmarble、Smilegate、NCなどは、千葉・幕張メッセで開催中のTGS 2026にサブカル新作を出展している。
Nexon Gamesは「PAREIDOLIA」、Netmarbleは「Pearl in Blue」、Smilegateは「MIRASI: The Invisible Future」、NCはDynamis Oneが開発する「ASTRAE ORATIO」をそれぞれ披露した。
各社が日本で新作訴求を強める背景には、市場規模の大きさとジャンル面での影響力がある。韓国コンテンツ振興院によると、2024年の日本は世界のゲーム市場の約10%を占める主要市場だった。
なかでもサブカルチャーゲーム分野での存在感は大きい。市場調査会社Sensor Towerによれば、2020年6月21日から2025年6月20日までの世界のモバイルサブカルチャーゲーム売上高の約54%を日本が占めた。グッズ、コラボレーション、コミックス、アニメーションなどへIPを展開しやすいほか、二次創作のエコシステムが形成されている点も特徴とされる。
Nexon Gamesは今回のTGSで、「PAREIDOLIA」の試遊版を初公開した。
「PAREIDOLIA」は、「Blue Archive」を手がけたNexon GamesのIO本部傘下RXスタジオが開発するPC・コンソール・モバイル向けタイトル。Unreal Engine 5ベースの3Dグラフィックスを採用し、キャラクターとの日常パート、探索、戦闘を組み合わせたゲーム体験を打ち出す。
試遊版では、主要エリア「タソガレ館」でキャラクターと交流しながら、ダンジョン探索と戦闘を進める基本的な流れを紹介した。キャラクター名を直接呼びかけて交流するインタラクション機能のほか、ターン制バトルの戦略性にリアルタイム戦闘の感覚を組み合わせた戦闘システムも披露した。
日本のゲームメディア4Gamerは試遊後、2Dイラストの魅力を3Dで表現した完成度や、キャラクター名を呼んで交流する機能を注目点として取り上げた。
Nexon Gamesのチャ・ミンソPDは「今後も開発に万全を期し、世界中のファンの期待を裏切らないゲームを届けたい」とコメントした。
NetmarbleはTGSで新作「Pearl in Blue」を初公開し、世界観や開発状況を紹介した。
「Pearl in Blue」は、ラブコメディアニメの主人公になったような恋愛体験にRPG要素を組み合わせた、サブカルチャー系の収集型モバイルRPG。ヒーロー兼インフルエンサーとして活動する騎士団を育成し、キャラクターとの関係を深めるコンテンツを強みとする。
Netmarbleは9月17日にメディア向け発表会を開き、作品の主要な特徴や世界観、開発状況を公開した。会場では、TGS向けに制作したコンセプトプロモーション映像に加え、主要キャラクターの声優陣が参加するプログラムも実施した。
正式リリースに先立ち、日本向け公式XやYouTubeチャンネルを通じてゲーム情報を順次公開し、現地ユーザーとの接点拡大を図る方針だ。
Smilegateは「MIRASI: The Invisible Future」と「Dead Account: Two Blue Flames」の2タイトルをTGSに出展した。
このうちサブカルチャーRPG「MIRASI: The Invisible Future」は、Control9が開発中の作品。昨年のTGSで初公開した後、韓国のAGFや今年7月の米国Anime Expoなど、ゲーム・アニメ関連イベントへの出展を続けてきた。
今年のTGSでは、キャラクタービジュアルを前面に打ち出したブースと試遊スペースを用意した。開発陣、コスプレイヤー、バーチャルYouTuberが参加するプログラムも展開し、レイドコンテンツなどの新情報も会場で公開するという。
NCは、Dynamis Oneが開発中の「ASTRAE ORATIO」を初めて一般向けに試遊公開した。
「ASTRAE ORATIO」は、NCがパブリッシングし、Dynamis Oneが開発する神伝記魔法RPG。現実と魔法が共存する世界を舞台に、プレイヤーは魔法使いの行政を担う機関「特区庁」の公務員「主任」となり、さまざまな人物や事件に向き合っていく。
会場では、ゲーム内の主要な舞台となる特区庁や東京タワーなどをブースで再現し、シナリオモードと戦闘モードをそれぞれ体験できるようにした。
NCは2027年のリリースを目標に開発を進めており、年内にはグローバル非公開ベータテスト(CBT)を実施する予定だ。今回のTGSとCBTで得たユーザーの意見を開発に反映し、完成度を高めるとしている。
韓国発サブカルチャーゲームでは、Nexon Gamesが開発した「Blue Archive」とShift Upの「GODDESS OF VICTORY: NIKKE」が日本で実績を残した代表例として挙げられる。今回TGSで披露された新作群が、正式リリース後に日本市場でどのような反応を得るかも焦点になりそうだ。
TGS会場を訪れたゲーム業界関係者は、「サブカルチャーの本場である東京ゲームショウで、韓国のサブカルチャーゲームが数多く出展され、良い反応を得ているのは心強い。Blue ArchiveやGODDESS OF VICTORY: NIKKEに続く大型ヒット作の登場を期待したい」と話した。