Waymoが、シンガポールでのロボタクシー事業に乗り出す。2028年の有料サービス開始を目指し、近日中に車両を搬入して地図データの整備を始める。2027年には、安全要員を乗せた自動運転の公道試験を実施する計画だ。
米ITメディアのThe Vergeが18日(現地時間)に報じた。Waymoは2028年までに、一般向けの完全自動運転配車サービスの提供を目標としている。ただ、実際に乗客を乗せて運行するには、シンガポール陸上交通庁の承認が必要になる。
シンガポールでは、自動運転車を公道に投入する前に、CETRANの安全評価を受けなければならない。CETRANは自動運転車の試験研究機関で、この評価体制は陸上交通庁とCETRAN、交通警察が整備した。
Waymoはすでにシンガポールで事業基盤づくりを進めている。年初には現地法人を設立し、シンガポール自動運転車運営委員会にも参加しているという。今回の計画は、市場調査の段階を超え、現地制度の枠組みに沿って事業化の準備を進める動きといえる。
シンガポールは自動運転の実証・運用先としても活用が進んでいる。現地当局は、自動運転による貨物配送や道路清掃車両、空港従業員向けの自動運転バスの運行を認めている。米Motionalも2016年にシンガポールでロボタクシーの実証事業を実施した。
Waymoは、シンガポールの交通環境を高く評価している。共同最高経営責任者(CEO)のテケドラ・マワカナ氏は声明で、「シンガポールは、世界で最も安全で効率的、かつ未来志向の交通エコシステムの一つを築いてきた」と述べた。
その上でマワカナ氏は、「信頼性、持続可能性、人間中心の進歩を重視するシンガポールの姿勢は、Waymoが技術とサービスを構築する考え方と重なる」とコメントした。
今回の発表は、Waymoの海外展開拡大の一環でもある。Waymoは2026年末までにロンドンでロボタクシーサービスを始める計画を明らかにしており、2027年の東京進出も予告している。
さらに、ドイツ・ミュンヘンでも2027年末にロボタクシーを投入する計画で、実現すればEU域内で初の展開事例となる。シンガポールが加われば、同社の海外展開はアジアと欧州で同時に広がることになる。
米国内での拡大も続いている。Waymoは今年、ナッシュビル、デンバー、サンディエゴ、ラスベガスへの新規進出計画を発表した。現在は米国の約15都市で、約4000台の車両を運用している。
一方で、米主要都市への進出はなお順調とはいえない。規制上の障壁や政界の反対が、ニューヨーク、シカゴ、ワシントンDCへの参入を阻んでいる。ロボタクシーを巡る議論が米国内で続くなか、Waymoは海外市場の開拓によって成長ペースの維持を図っており、シンガポール計画もその流れに位置付けられる。