Uberで社内AI活用が広がっている。写真=Shutterstock

配車大手Uberで、AIの社内活用が急速に広がっている。社内Q&Aやカスタマーサービス、営業準備など幅広い業務で導入が進む一方、経営陣は投資に見合う生産性向上を十分に確認できておらず、一部AIサービス向けクレジットの縮小にも踏み切ったという。Business Insiderが17日(現地時間)に報じた。

報道によると、最近解雇された元社員らは、Uberがここ数カ月で複数の業務にAI導入を拡大し、一部の社員は業務のかなりの部分をAIツールに任せていたと証言した。

Uberの元社員の1人は、AIツールを数週間使ったところ、作業時間が従来の5分の1程度になったと話した。一方で、AI活用の拡大は多くの社員にとって「橋の下に仕掛けられたダイナマイト」のように感じられたとも表現した。

広告部門にいた元社員は、管理職が顧客ミーティングの準備でGoogle GeminiやOpenAIのChatGPTを使うよう強く促していたと述べた。「常にAIを使うよう求められた」「AI活用は日常だった」と振り返っている。

社内コミュニケーション基盤のSlackでもAI活用は広がっていた。Uberは複数の社内のSlackチャンネルで「Genie」というAIチャットボットを運用している。Genieは社内文書を基に社員の質問に答える仕組みで、元社員の1人は、これまで管理職や同僚に聞いていたことの多くをAIが代替するようになったと話した。

カスタマーサービス部門でも同様の変化が起きていた。元社員によると、現場では社内文書を検索するAIツール「Glean」を使って、Uberドライバーや乗客からの問い合わせに対応していた。本来は担当者の情報収集を支援するツールだが、AIが生成した回答をそのまま顧客向けチャットに貼り付けるケースも少なくなかったという。

もっとも、Uberがすべての業務をAIに委ねるよう求めていたわけではない。生成AIチームで評価担当を務めていたコリーXは、AIへの過度な依存を避ける社内ガイドラインもあったと証言した。「ChatGPTに仕事を代替させないように、というガイドがあった」とし、単にChatGPTに業務を任せるだけなら、会社として人員を抱える必要性そのものが問われかねない空気もあったという。

一部の元社員は、UberのAI導入は他のテック企業に比べて相対的に慎重だったと評価している。Uberは社内説明会やオフィスアワーを開き、AIにできることとできないことを案内していたほか、対外コミュニケーションでAI生成画像を使うことも制限していたとされる。

一方、投資対効果の見直しも進んでいる。ある元社員は、Uberが今年上半期ごろからAnthropicのClaudeなど一部AIサービス向けのクレジットを削減・停止し始めたと話した。経営陣は当時、Claude関連の年間予算はすでに使い切った一方、AIツールへの支出に見合う生産性向上は確認できなかったと説明したという。

Uberはこれまで、財務や人事など複数部門でAI活用の余地を探るため、現場に入るエンジニアで構成する「agentic pods」を運用してきたと明らかにしている。ダラ・コスロシャヒCEOも先週の業界イベントで、最近の人員削減について、管理職より実務を担う人材を厚くする狙いがあったと言及した。リストラを通じて、AIや一般的な生産性向上ツールがもたらす「実質的な追い風」を生かす余地を確保したとも説明した。

Uberでは、AIが管理業務の一部を代替しながら、カスタマーサービスや営業など現場業務にも浸透しつつある。ただ、同社がAIツールの費用対効果を改めて点検していることから、コストを抑えつつ社内自動化の範囲をどこまで広げるかが次の焦点になりそうだ。

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