米連邦航空局(FAA)は、航空交通量や運航遅延をAIで予測するシステムを導入する。管制人員の不足やインフラの老朽化への対応策の一環で、航空機の出発前から運航計画の調整を支援する。
TechCrunchが17日(現地時間)に報じたところによると、FAAは航空交通管理ソフトウェア「SMART」の初期運用を今秋に始める予定だ。開発元のAir Space Intelligence(ASI)とは、12年間で総額8億7500万ドルの契約を結んだ。契約には、SMARTに加え、航空交通データサービスシステム「FMDS」の構築も含まれる。
SMARTは「空域・航路・飛行軌跡の戦略的管理」を意味する。航空会社の運航スケジュール、気象、空港の処理能力、空域の状況などをAIで分析し、交通の流れや遅延リスクを予測する仕組みだ。FAAや航空会社が同じ情報に基づいて出発時刻や飛行経路を調整できるようにする。天候の悪化や空港の混雑が発生した場合は、予測結果や推奨内容も更新する。
導入当初はワシントンD.C.周辺で運用し、その後は他地域への拡大を検討する。FAAはまず初期運用でシステムの性能を見極めた上で、全国展開を視野に入れる考えだ。
今回の取り組みは、管制官の業務を支援するツールの整備に当たる。管制官の代替や、航空機の直接操縦を目的としたものではない。FAAはこのほか、管制人員の採用拡大や既存の航空交通システムの近代化も進めている。AIによる予測が実際の遅延削減につながるかどうかは、段階的な運用を通じて検証する。
著者について