写真=Tesla

Teslaは欧州で、電動トラック「Tesla Semi」向けのメガワット級充電設備「メガチャージャー」を100基以上先行配備する。対象はドイツやフランス、英国など7カ国・21拠点で、来年開始予定のSemi欧州納車に合わせて充電インフラを整える。

9月17日(現地時間)、電気自動車メディアのInsideEVが報じた。初期配備の対象国はドイツ、フランス、英国、スウェーデン、ベルギー、オランダ、ルクセンブルク。ただ、今回の第1弾整備についてTeslaは具体的な完了時期を明らかにしていない。

Semi開発を統括するダン・フリースリーは、ドイツ・ハノーバーで開催された今年のIAAトランスポーテーションで、欧州でのメガチャージャー設置計画を提示した。関連資料では、ドイツやフランスなど7カ国が、欧州で最初にTeslaのメガワット級充電器を導入する地域として示された。

メガチャージャーは、Semiのような大型電動トラック向けに設計された超高出力充電設備だ。Teslaによると、最大出力は1.2メガワットで、Semiの大型バッテリーを約30分で60%まで充電できる。

欧州向け設備は、1000Vの電力キャビネットと2基の充電ストールで構成する。車両には最大1500アンペアを供給できるとしている。

今回の計画は、車両投入とインフラ整備を並行して進める点が特徴だ。大型電動トラックはディーゼルトラックと異なり、高出力の充電網がなければ長距離の商用運行が難しい。Teslaとしては、Semi投入前に充電拠点を示すことで、商用顧客の導入ハードルを下げる狙いがあるとみられる。

ただ、利用できる車種は限られる。SemiとメガチャージャーはいずれもMCS 3.2コネクターを採用しており、欧州の他社製電動トラックはそのままでは利用できない。

その代替手段として、TeslaはSemi顧客にCCSアダプターを提供し、欧州全域のCCS2充電器でも充電できるようにする計画だ。

Teslaは公共向けのメガチャージャーネットワーク整備に加え、民間需要の取り込みにも乗り出す。物流ハブなど、自社の充電設備を必要とする企業向けに、メガチャージャーと「ベースチャージャー」の販売を始めた。

両製品はすでに受注を開始しており、欧州での初回出荷は来年半ばを見込む。

価格も公表した。電力キャビネットと2基の充電ストールで構成するメガチャージャーパッケージは16万3000ユーロ。120キロワット級の一体型ベースチャージャーは1万7000ユーロで、注文は最低2台からとなる。

ベースチャージャーは、長時間駐車中に充電できる事業者向けの設備だ。必要な部品を1つのハウジングに統合し、直流120キロワットと交流125キロワットに対応する。

Teslaは、この機器を使えばSemiのバッテリーを約4時間で80%まで充電できると説明している。

Teslaの欧州商用車戦略は、車両販売と専用充電エコシステムの整備を同時に進める構図が鮮明になってきた。来年のSemi納車に向け、充電拠点の整備ペースと物流拠点を中心とした民間需要の取り込みが、欧州の電動トラック市場立ち上がりの焦点となりそうだ。

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