米連邦準備制度理事会(Fed)が9月17日に政策金利を25bp引き上げた後も、ビットコインは7万6000ドル前後を維持した。米株安のなかでも相対的に底堅さを示しており、市場の関心は年内の追加利上げ観測と現物需要の持続性に移っている。
ブロックチェーンメディアのCointelegraphによると、Fedは同日、2023年以降で初めて政策金利の引き上げに踏み切った。発表前後でビットコイン相場に大きな変動はなく、7万6000ドル近辺で推移した。
連邦公開市場委員会(FOMC)は全会一致で政策金利を3.75〜4%に引き上げた。利上げは一般に株式などリスク資産の重荷となりやすいが、ビットコインは24時間前比1.35%高の7万6663ドル(約1150万円)を付けた。同日の米株式市場が下落したことを踏まえると、相対的に堅調な値動きだった。
市場では、今回の利上げはすでに相当程度織り込み済みだったとの見方が出ている。Talosのアナリスト、クーパー・ダースチャン氏は、株安局面でもビットコインがおおむね発表前の水準を維持したと指摘し、暗号資産市場が今回の判断を事前にかなり想定していたためだと説明した。
一方、注目は今回の利上げそのものより、年内に追加の引き締めがあるかどうかに移っている。ケビン・ウォッシュ氏は、経済は安定しているように見える一方、インフレはなお高水準にあると指摘した。Fedが公表した最新の経済見通しでは、当局者18人のうち16人が年末までに少なくとも1回の追加利上げを見込んでいる。
Block Scholesのリサーチ責任者、アンドリュー・メルビル氏は、追加利上げが現実になれば、今回の25bp引き上げ以上にタカ派色の強いシグナルになり得ると分析した。足元で見られたビットコインの底堅さが、その後も維持されるかが次の焦点となる。
現物市場とデリバティブ市場では、動きの違いも目立った。直近1時間では、ビットコインで約8200万ドル(約123億円)、イーサリアムで約6800万ドル(約102億円)規模の無期限先物のネット売りが観測された。一方、ビットコインの現物市場では約1550万ドル(約23億円)のネット買いが集計された。
取引所の資金フローも変動した。利上げ直後にはビットコイン約2170枚が取引所に流入し、その後1260枚が再び流出した。投資家が一律にリスク資産を回避したというより、Fedのメッセージを見極めながらポジションを調整した構図がうかがえる。
こうしたなか、市場は短期的な価格反応よりも、追加引き締め局面でも現物需要が持ちこたえられるかに注目している。DWF Labsの市場インサイト責任者、マーティン・リー氏は、高金利が長期化するとのタカ派姿勢が改めて意識され、リスク選好資産は新たな環境を相場に織り込んでいくことになると述べた。ビットコインの底堅さが、年内の追加利上げ観測の下でも維持されるかが次の焦点だ。