ビットコインは、米上院でClarity法案が審議入りできなかったことを受けて7万6000ドル台まで下落した。もっとも、オンチェーン分析企業Glassnodeは、足元で警戒すべきなのは価格そのものよりも需要の減速だとみている。
CoinPostが17日に伝えたところによると、Glassnodeは週間レポートで、今回の下落幅はなお限定的な範囲にとどまる一方、新規資金の流入が鈍っていると分析した。
ビットコインは18日時点で約7万6000ドルで推移し、週間では約4.6%下落した。8月下旬から続いていたレンジ相場の下限も下回った。
Glassnodeは、現在の価格が市場参加者の平均取得単価を示す「トゥルー・マーケット・ミーム」の7万6700ドルをやや下回っていると指摘した。この水準は、直近レンジの下限とも重なる。
ただ、Glassnodeはこの下振れだけで相場転換とみるのは早計だとしている。実際、ビットコインは8月23日と9月10日にも同水準を一時的に下回った後、反発している。
注目点は終値の動きだ。Glassnodeによると、9月15日の日次終値は初めてこの基準線を下回って引けた。
終値ベースで再びこの水準を割り込めば、単なる一時的な下落ではなく、レンジ相場の崩れに移行する可能性があるという。その場合の次のサポート水準として、短期保有者の平均取得単価である7万1300ドルを挙げた。
市場の弱さは、価格以上に資金フローに表れている。オンチェーンの実現時価総額は27日連続で増加した後、9月15日に減少へ転じた。
ビットコイン現物ETFも、月初には10億ドル近い資金流入があった一方、9月8日から14日にかけては約3億3400万ドル(約501億円)の流出に転じた。Glassnodeは、オンチェーンとETFの双方で資金流入が停滞している点について、投資家の慎重姿勢を映していると分析した。
ステーブルコインの供給にも反発を裏付ける動きはみられていない。全体の時価総額は約3010億ドル(約45兆1500億円)と週間ではほぼ横ばいで、4月の高値を約4%下回る水準にある。
この5カ月間、新高値を更新できていないことからも、ビットコインが従来のレンジを再び上抜けるには新たな資金流入が欠かせない状況が確認された。
企業による買い需要も鈍っている。上場企業の直近3カ月の純買い越しは約5900BTCにとどまった。2025年7月に単月で8万9000BTCを購入していた局面と比べると、買いの勢いは大きく後退している。
上場企業全体の平均取得単価は8万500ドルと推計される。足元の価格はこれを下回っており、Glassnodeは、企業が含み損の状態にあることが追加購入の鈍化につながっている可能性を示しているとみている。
デリバティブ市場でも防御姿勢が強まった。米上院でClarity法案が審議入りできなかった後、数時間以内にプットオプション価格がコールオプション価格を上回る逆転が起き、その状態は足元でも続いている。短期的な反発を見込むより、追加下落に備える動きが優勢であることを示すシグナルだとした。
今後の注目点は2つある。1つは、実現時価総額が再び増加に転じ、レンジ相場が持ち直すかどうかだ。
もう1つは、「トゥルー・マーケット・ミーム」を下回る水準で、終値ベースの下落が再び確認されるかどうかだ。Glassnodeは、後者が現実になれば下方ブレイクが確定する可能性があるとみる。その場合、7万1300ドルに加え、過去に買いが最も集中した6万2000〜6万5000ドルが次のサポート帯になる可能性があるとしている。