デジタルユーロのイメージ 写真=ECB

欧州中央銀行(ECB)は、デジタルユーロの実運用を見据えた決済実証に参加するユーロ圏のオンライン・モバイルコマース事業者の募集を始めた。導入に先立ち、決済システムの動作や使い勝手を検証する狙いだ。

16日付のFintech News Switzerlandによると、ECBはオンラインショッピングモールやモバイルコマース事業者を対象に、デジタルユーロ実証事業への参加申請の受け付けを開始した。すでに選定済みの決済サービス提供事業者36社に続き、募集対象を加盟店側にも広げた形だ。

選定された事業者は、デジタルユーロのベータ版を使って決済を受け付け、既存のオンライン決済フローに新たな支払い手段として組み込めるかを検証する。ベータ版は、EUの立法案に盛り込まれたデジタルユーロと機能面では近いものの、法定通貨としての地位は持たない。一般利用者向けの正式サービス開始を意味するものでもない。

実証事業では、技術面の安定性や運用手順、利用者体験を総合的に検証する。参加事業者は、顧客の決済プロセスやシステム連携の要件、事業者側のニーズに関する意見を提出し、ECBは今後の設計に反映させる方針だ。

このほか、ユーロシステムの職員や、中央銀行施設内の食堂など日常サービスを提供する事業者も試験に参加する。ユーロ圏各国の中央銀行は別途、域内の事業者を独自に募集できる。公募で選ばれた事業者はECBと参加契約を結び、実証事業に参加する決済サービス提供事業者と連携する必要がある。

実証事業は2027年下期に始め、期間は12カ月を予定する。参加は任意で、報酬や費用補償はない。応募期限は10月27日。

デジタルユーロの発行自体は、現時点では決まっていない。ECBは、関連するEU法案の採択後に発行の可否を最終判断する方針としている。

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