Bitcoin ETF投資家のヘッジ需要後退が、Bitcoinの相対優位につながる可能性があるとJP Morganは分析した。写真=Shutterstock

JP Morganは、Bitcoin ETF投資家の下落ヘッジ需要が弱まれば、Bitcoinが金を相対的に上回る展開もあり得るとの見方を示した。資金流入の規模そのものよりも、投資家のポジション構造に注目している。

17日、U.Todayによると、ニコラオス・パニギルツォグル氏率いるJP Morganの分析チームは、Bitcoin ETFと金ETFの双方で機関投資家のエクスポージャーが高水準にある一方、Bitcoin投資家の方が下落リスクへの備えを強めていると分析した。

JP Morganは、ETFへの資金流入額だけではなく、投資家がどのような形でポジションを積み上げているかが重要だと指摘する。Bitcoin市場では防御的なポジションが目立っており、投資家心理の改善に伴ってヘッジ需要が後退すれば、Bitcoinにとって追加的な支援材料になり得るという。ヘッジの巻き戻しが進めば、金に比べて相対的に強い値動きにつながる可能性があるとしている。

Bitcoin ETFと金ETFにはいずれも資金流入が再開した。米連邦準備制度理事会(FRB)の7月会合以降、投資家が通貨価値の低下に備える取引へ戻ったことが背景にある。

もっとも、ETF需要の回復ペースは金の方が速い。JP Morganによると、金ETFは2026年初に発生した資金流出分をすでに取り戻した。一方、Bitcoin ETFは流出分の回復が約半分にとどまっている。

資金フローだけを見れば金が優勢だが、JP Morganは防御的ポジションの状況に明確な違いがあるとみる。BlackRockの「iShares Bitcoin Trust ETF」(IBIT)の空売り残高は2026年の高水準圏にある一方、「SPDR Gold Shares ETF」(GLD)の空売り残高は過去平均を下回っているという。

オプション市場でも同様の傾向が確認された。IBITのプット・コール比率はGLDを上回っており、Bitcoin投資家の方が金投資家よりも下落リスクのヘッジに積極的であることを示しているとした。

JP Morganは、こうしたポジションの差がBitcoinの上昇余地につながる可能性があると分析する。投資家が自信を取り戻し、ヘッジポジションの縮小に動けば、Bitcoinは金よりも大きな下支えを受ける公算が大きいという。

一方で、JP MorganのBitcoin見通しは今年に入って慎重さを増している。2026年2月には、暗号資産市場に前向きな見方を維持しつつも、当時のBitcoinの生産コストを約7万7000ドル(約1155万円)と推計した。これは年初の約9万ドル(約1350万円)から低下した水準だ。

同チームはその際、金との比較を踏まえ、ボラティリティ調整後のBitcoinの長期的な理論価値が26万6000ドル(約3990万円)に達する可能性があるとの見通しも改めて示していた。

ただ、2026年が進むにつれて見方は一段と慎重になった。6月には、Bitcoinが推定生産コストを5カ月連続で下回って推移したと指摘。夏場には「Clarity」法案の成立見通しの後退についても、繰り返し警戒感を示していた。

JP Morganは足元のBitcoin市場について、規制を巡る不透明感に加え、機関投資家の複雑なポジションが絡み合っていると分析している。

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