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ビットコインを財務戦略に組み込む上場企業が増えるなか、関連銘柄は相場上昇時に現物ビットコインを上回るリターンを生む一方、下落局面では同じ仕組みが損失拡大要因にもなり得るとの見方が出ている。投資判断では、単純な保有総量ではなく、完全希薄化後の1株当たりビットコイン保有量と債務構造の確認が重要になる。

Cointelegraphによると、2026年9月時点でビットコインを財務資産として保有する上場企業は179社に増えた。

こうした企業の基本構造は共通している。伝統的な資本市場で資金を調達してビットコインを購入し、株式の希薄化を上回るペースで1株当たりの保有量を増やすことで、株主リターンの拡大を狙う手法だ。

ただ、この仕組みはビットコイン価格の上昇局面では有利に働く一方、下落局面では逆風となりやすい。株価プレミアムが剥落すれば資金調達は難しくなるが、債務の満期や利払い義務は残るためだ。実際、2025年7月以降、ビットコイン・トレジャリー上位50社の時価総額は約830億ドル減少した。

Metaplanetで表面化した株主の反発も、過度な希薄化が招き得る問題を示した。弱気相場では、トレジャリー企業ほど資金調達ニーズが高まりやすく、既存株主の希薄化負担も増す可能性がある。

米金融企業StoneXのアナリスト、マーク・パーマー氏は、投資家が見るべきなのは単純なビットコイン総保有量ではなく、「負債と優先株の請求権を反映した完全希薄化後の1株当たりビットコイン保有量」だと指摘した。株式を、その時点のビットコイン裏付け価値を上回る価格で発行し、その資金で追加購入できれば1株当たり保有量は増える。一方、それを下回る価値で資金を調達すれば、1株当たり保有量は減少し得るという。

企業間の差も鮮明だ。暗号資産分析企業LO:TECHのアナリスト、マッカーシー氏は、前回の強気相場ではStrategyがビットコイン急騰を追い風に債務調達を重ねることができたと説明した。その一方で、これを模倣した一部企業は、ビットコインを買い進めた後に株価が追随するとの前提に依存し、相場反転時の出口戦略を欠いていたと指摘した。

一方で、運用実績を強調する声もある。ビットコイン・トレジャリー企業Striveの最高経営責任者(CEO)、マット・コール氏は、同社はビットコインを一度も売却せず、弱気相場の間に保有量を約4倍に増やしたうえ、リターンでもビットコインを上回ったと主張した。Nakamotoの会長、デイビッド・ベイリー氏も、Metaplanetは約2年間にわたり世界で最も高いパフォーマンスを示した銘柄で、立ち上げ時点から1300%上昇したと述べた。

もっとも、債務の満期や利払い負担は、時間の経過とともに再び重しになり得る。実際、Nakamotoの株価は2025年の高値から99%下落し、英国のSatsuma Technologyも同様の下落を経験した。マッカーシー氏は、ビットコインに10万ドルを投資するなら、大半は現物ETFに振り向け、一部のみをボラティリティ狙いでStrategyに配分するとした。

結局のところ、ビットコインそのものへの投資と、ビットコイン・トレジャリー株への投資は似て非なるものだ。前者は価格そのものへの賭けだが、後者ではそれに加え、経営陣、資金調達の仕組み、財務の健全性、コーポレートガバナンスまで含めて評価する必要がある。投資家には、上昇余地だけでなく、希薄化と債務負担の両面を見極める視点が求められる。

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