金融庁は、暗号資産の販売所取引への誘導を巡り警戒感を示した。写真=Shutterstock

金融庁は、暗号資産事業者が収益性の高い販売所取引に利用者を誘導していないか点検する方針を示した。顧客に不利な選択を促していないかを見極めるため、取引画面の設計や表示、サイト上の導線などを確認する。

CoinPostが17日に報じたところによると、金融庁は同日公表した資料で、7月15日に日本暗号資産等取引業協会との意見交換会でこの問題を取り上げたと明らかにした。金融審議会もこれまで、販売所取引は事業者にとって取引所取引より収益性が高い場合があるとして、利益相反の可能性を指摘していた。

販売所取引は、事業者が顧客の相手方となって価格を提示する仕組みだ。一方、取引所取引は利用者同士の注文をマッチングする。価格形成や取引コストの仕組みが異なるため、利用者が両者の違いを理解したうえで選べる環境づくりが重要になる。

金融庁は、顧客本位の業務運営を求める法的義務を踏まえ、取引画面や導線のあり方について事業者との協議を続ける考えだ。あわせて、顧客の知識や経験に応じたサービス提供を求める適合性原則を、自主規制にどう反映するか検討するよう業界側に求めた。

もっとも、現時点で特定の事業者による違法行為が確認されたわけではなく、販売所の運営自体を禁止する方針でもないとしている。

本人確認の厳格化も進める。2027年4月1日以降、対面で顔写真付き本人確認書類を確認する場合は、ICチップ付きの本人確認書類を用い、チップ情報を読み取る対応が必要になる。暗号資産事業者も対象となるため、関連システムの整備が求められる。

国際的なマネーロンダリング対策基準に沿った対応の徹底も要請した。金融活動作業部会(FATF)が北朝鮮とイランへの対抗措置を求め、ミャンマーには強化された顧客確認を要請していることを受けたもの。金融庁は業界に対し、取引時の本人確認や疑わしい取引の届出、暗号資産の移転に関する通知義務を着実に履行するよう促した。

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