シンシア・ルミス米共和党上院議員は7日、暗号資産の市場構造法案「クラリティ法」が今会期で成立しなければ、次の現実的な立法機会は2030年までずれ込む可能性があると警告した。上院では15日に、法案の本格審議入りに向けた討論終結動議の採決が予定されており、まずはこの関門を越えられるかが焦点となる。
Coinpostが報じたところによると、ルミス議員は同日、自身のXに「クラリティ法が今会期で成立しなければ、次の機会は2030年になる」と投稿した。
ルミス議員は上院のデジタル資産小委員会委員長で、同法案の成立を強く後押ししてきた議員の一人だ。今回の発言は、上院の今後を左右する手続き採決を約1週間後に控えた局面で出たもの。法案成立を先送りすれば、雇用や投資、税収の面で長期的な機会損失につながりかねないとの認識を示した格好だ。
クラリティ法は、暗号資産の規制上の位置付けを整理し、米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)の所管を明確にする市場構造法案。2025年7月に下院を通過し、上院銀行委員会でも今年5月、賛成15、反対9で可決された。
もっとも、15日に予定される上院採決は法案の最終可決を問うものではない。上院多数党院内総務のジョン・チューン議員は8月8日、本会議での審議入りに向けた動議に対する討論終結を申請しており、上院は夏季休会明けの翌日である15日にこれを採決する予定だ。討論終結が可決されて初めて、法案は本格審議に進む。
焦点となるのは票読みだ。上院では討論終結に60票が必要で、共和党だけでは届かないため、民主党から一定数の賛成を取り込む必要がある。ルミス議員は5月にも「今会期を逃せば次は2030年」と警告しており、今回の発信も15日の採決を前に、上院内での賛同拡大を意識したものとみられる。
上院日程も法案審議には逆風となっている。10月は休会期間が長いうえ、予算法案や国防権限法案の審査も残っており、クラリティ法に割ける時間は限られる。今回の手続き採決が不調に終われば、その後の会期で法案の優先順位を確保するハードルは一段と高まりそうだ。
ルミス議員が言及した「2030年」は、法的な期限を示すものではない。ただ、現会期で法案が成立しなければ、2026年11月の中間選挙前後は審議時間の確保が難しく、2028年の大統領選を挟む次期議会でも大型法案の推進は容易ではないとの見方が出ている。超党派合意を改めて積み上げる必要も踏まえると、再始動は2029年以降にずれ込む可能性があるとの予測もある。
このため、15日の採決は単なる手続きにとどまらず、米国の暗号資産市場構造立法の行方を左右する重要な節目となる。上院が審議入りの条件を満たせるか、民主党の協力をどこまで引き出せるかが、クラリティ法の今後の日程に直接影響することになりそうだ。