米国で、コンセントに接続して使う小型のプラグイン太陽光の合法化が各州で進み、住宅向け太陽光発電の導入障壁を下げている。欧州ではすでに数百万世帯が利用する仕組みで、米国でも制度整備が本格化しつつある。
米ITメディアThe Vergeによると、プラグイン太陽光は小型パネルとマイクロインバーターを組み合わせ、発電した電力を家庭内で使う仕組み。蓄電池を追加すれば、昼間の余剰電力を夜間に回せるほか、停電時には冷蔵庫などの必須家電向け非常用電源としても活用できる。
最大の強みは、価格の安さと設置の手軽さだ。米国の従来型の屋根設置型太陽光発電は、導入費用が約1万5000ドル(約225万円)からで、施工業者の手配に加え、各種許認可や電力会社の承認が必要となる場合が多い。
これに対し、プラグイン製品は約300ドル(約4万5000円)から購入できる。ベランダの手すりや壁面などに、消費者自身で設置できる点も普及を後押ししている。
背景にあるのは規制の見直しだ。ユタ州が昨年、プラグイン太陽光を小型の家庭用機器に再分類したのに続き、バージニア、メイン、コロラド、メリーランド、ニュージャージー、コネティカット、バーモント、ニューハンプシャーも関連制度を整備した。カリフォルニア州とニューヨーク州では、関連法案が知事の署名を待つ段階にあるという。
制度の詳細は州ごとに異なるものの、概ね安全認証の取得、回路の過負荷防止、停電時の自動遮断機能などが求められる。米国では最大1200W程度の出力を認める例が多く、欧州で一般的な800Wを上回る。
欧州では、ドイツだけでも約150万世帯がプラグイン太陽光を購入したと推計される。市場拡大を受け、EcoFlow、Bluetti、Ankerなど蓄電関連メーカーも対応製品を増やしている。
プラグイン太陽光は、大型の屋根設置型設備を置き換えるものではない。ただ、賃貸住宅の居住者や初期投資を抑えたい消費者にも太陽光発電へのアクセスを広げる選択肢として、住宅向けエネルギー市場で存在感を高めている。