豪州で、女性比率の高い職種ほど生成AIによる自動化の影響を受けやすいとする分析結果が示された。とりわけ事務・管理職にリスクが集中しており、AIの普及が労働市場における男女差の新たな要因になる可能性がある。
Gigazineが6日付で伝えたところによると、クイーンズランド工科大学の経済学准教授レオノラ・リセ氏と、オーストラリア国立大学グローバル女性リーダーシップ研究所の副所長エリス・ステフェンソン氏は、豪州政府機関Jobs and Skills Australia(JSA)のAI関連データと職種別の男女構成を照合し、分析を行った。
JSAは、各職種の業務について、生成AIで代替される可能性を「自動化露出」として評価している。分析によると、事務・管理職はこの自動化露出が高い代表的な分野で、従事者の7割超を女性が占めた。さらに、この分野は豪州の女性雇用全体の約5分の1を占めていた。
自動化露出が最も高い上位20職種のうち、15職種は女性が多数を占めた。このうち5職種では女性比率が80%を超えた。対象には会計事務員、一般事務員、人事・給与担当者などが含まれる。一方、露出が最も低い下位20職種では、17職種が男性多数の職種だった。
求人動向にも差がみられた。6月のオンライン求人件数は全体で前年同月比約1.7%減だったが、パーソナルアシスタントと簿記担当は約22%減、一般事務員も約9%減少した。これに対し、AIによる自動化露出が低いコンクリート工は5.5%増、電気工は14.3%増となった。
もっとも、こうした数値だけで、AIが求人減少の直接要因になったと断定することはできない。
研究チームは、AI政策にジェンダーの視点を反映させる必要があると強調した。自動化の影響を受けやすい事務職について、他職種に転用可能なスキルを把握し、再教育や転職支援の枠組みを整備する必要があると説明している。