ビットコイン 写真=Reve AI

ビットコインの短期保有者による売却時の損益を示す「STH-SOPR」の30日移動平均が、約1年ぶりに1を上回った。これまで続いていた損失確定売りの圧力が和らぎ、短期保有者の売却環境が改善しつつある可能性が出ている。

オンチェーン分析家のダークポストがCryptoQuantのデータを基に示したところでは、9月7日時点でSTH-SOPRの30日移動平均は1を突破した。

STH-SOPRは、保有期間6カ月未満のビットコインが売却される際、取得価格と売却価格の関係を示す指標だ。1を上回れば短期保有者が平均的に利益を確保して売却していることを示し、1を下回れば損失確定売りが優勢な状態を意味する。

ダークポストによれば、足元の30日平均は約1.01まで上昇した。同氏は、5月に見られた一時的な反応よりも、今回はより明確な変化だとみている。

同氏は、1年以上続いてきた短期保有者の損失確定売り局面に、終息の兆しが出てきたと指摘した。直近の弱気相場では、短期保有者が平均して損失を抱えたまま売却する状態が約1年続いたが、今回初めてSTH-SOPRが1を上回る水準に達したという。

これは、短期投資家の売りの性格が変わりつつあることを示す。これまでは下落局面で損失を確定する売りが目立っていたのに対し、足元では取得価格を上回る水準で利益確定に動く投資家が増えているとされる。

一方で、利益確定の増加をそのまま相場過熱のシグナルと受け取るべきではないとの見方も示した。ダークポストは、利益確定が生じる市場の方がむしろ健全であり、価格変動に最も敏感な短期保有者が利益を確定するのは自然な市場のプロセスだとしている。

焦点は、この状態がどこまで続くかにある。STH-SOPRの30日平均が1以上で安定して推移すれば、短期保有者が損失確定売り中心の局面を脱し、利益確定主体の構造へ移行した可能性が高まる。

過去の強気相場でも、短期保有者の利益確定が続く中でビットコイン価格の上昇基調が維持された例があった。今回の指標改善が一時的な反発にとどまるのか、それとも今後のトレンド転換につながるのかが注目点となる。

もっとも、今回の分析はダークポストによるオンチェーンデータの解釈に基づくものだ。STH-SOPRが1を上回ったという事実だけで、ビットコインの一段高や強気相場への転換を断定するのは難しい。出来高や長期保有者の動向、現物市場とデリバティブ市場の資金フローなど、他の指標とあわせて見極める必要がある。

市場の関心は、STH-SOPRが1を上回る水準で定着できるかどうかに移っている。短期保有者の損失確定売りが後退し、利益確定の流れが継続すれば、足元のビットコイン市場の投資家心理が従来より改善しているサインとして受け止められる可能性がある。

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