米国と英国は、暗号資産投資詐欺を手がける海外の詐欺センターを標的とした共同捜査の枠組みを構築した。両国は覚書を締結し、並行捜査や情報共有、起訴先の調整を進める。10月初旬にはロンドンで、民間企業と連携した遮断作戦も予定している。
Cointelegraphが9月4日に報じたところによると、米ワシントンD.C.連邦検察局、イングランド・ウェールズ王立検察庁(CPS)、英国国家犯罪庁(NCA)は、暗号資産やオンライン投資詐欺に関わる組織を共同で取り締まるための覚書(MOU)を締結した。
覚書に基づき、両国は共通の標的に対して並行捜査を実施し、組織犯罪ネットワークに関する情報を共有する。個別案件をどちらの国で起訴するかについても協議する。
捜査当局はすでに、双方が捜査対象とする主要案件を確認している。10月初旬にはロンドンで、民間企業と連携して詐欺ネットワークの遮断作戦を実施する予定だ。
米司法省は今回の協定について、詐欺センターを無力化するための初の国際的な捜査協力の枠組みだと説明した。2025年11月にワシントンD.C.連邦検事長のジーニーン・フェリス・ピロ(Jeanine Ferris Pirro)氏が発足させた「詐欺センター打撃タスクフォース」の国際連携を拡大する措置としている。
このタスクフォースは、東南アジアを中心に活動する中国系の組織犯罪ネットワークを主な標的としている。米当局によると、同ネットワークは偽の暗号資産投資プラットフォームなどを通じて被害者の資金をだまし取り、人身売買や資金洗浄にも関与しているとみられる。
米国での被害も拡大している。連邦捜査局(FBI)のインターネット犯罪苦情センター(IC3)に寄せられたオンライン投資詐欺の被害額は、2023年の45億7000万ドルから2025年には86億5000万ドルへと89%増加した。
国際的な合同摘発も広がっている。4月にはドバイ警察、FBI、中国公安部などが参加した作戦で、少なくとも276人が逮捕され、暗号資産投資詐欺センター9カ所以上が閉鎖された。米国は関連組織の関係者6人を、詐欺と資金洗浄の容疑で起訴した。